[あらすじ] 同居母86歳パーキンソン病要介護2認知症状少々、
8泊9日のショートステイに入っている。
創世記の神は7日目に休んだそうだが、
私は6日目に休んでいる。
レスパイトとは、介護者の休養を意味する。
ステイ中は介護のレスパイトにはなるが、
家事は質量ともに普段以上の事をする。
粗大ゴミを出し、押し入れと物置を片付け、
鍋とシンクを磨き上げ、庭の木を三本剪定したら、
くたびれちゃったよ。
目が覚めたら、9時だった。
よく寝た。
よく寝られたものだ。
普段なら、朝6時に定期巡回介護サービスが入るので、
否が応でも起きる。
介護してもらうために入っているのだから起きなくても良いはずだが、
介護士さんに向かって犬が吠えてしまうので、それを鎮めるために起きる。
私が行けば、犬は吠え止む。おはよう、早く散歩に行こう。
※
庭木を伐るのも、普段だとそこまで手が回らない。
枝を張り、天を突く。
横にも縦にも伸び放題に伸びている。
塀を越えて隣家に張り出した枝を伐る。
そこだけ伐ったところで、伐ったところは日当たりが良くなるから、
またそこへ伸びるだけのことだ。
敷地の端っこの木は、容赦せずにバッサリやる。
庭の中の木も伐る。
これを伐らないと、端っこの木が伐れない、という条件の木を伐る。
木に登って鋸を使っていると、「おはようございます」と声がかかる。
見ると、お隣のおにいちゃんだ。
「あの、街灯にかかってる木の枝、伐っていいですかね?」
ひええ。次にやろうと思ってました。すみません。
けっきょく、高枝切鋏とハシゴを使って、
おとなりさんがかなりの枝を下ろしてくれた。
「これで鋸が入るでしょう。」
ありがとうごぜえます。平日にチェーンソーでぶった切ります。
さっき伐っていた木の所に戻ると、反対側のお隣さんからも声がかかる。
「この木の枝、切っちゃっていい?」
もちろんでごぜえます。すぐ伐ります。
というか、明日明後日になりますけど、チェーンソーで元から伐っちゃいます。
「よく屋根が壊れないなあ。」
ちょいと一本伐ったところでやめようと思っていたのだけれど、
お隣さんが手伝ってくれている手前、やめるわけにもいかず、
もう一本伐った。
ヘバヘバ。
※
母の古い学生さんが、私の携帯に電話をくれた。
私が小学1年生の頃からのお付き合いだ。
「私が会いに行ったら、先生は私のことを分かってくれるかしら?」
はいはい、そういう面ではしっかりしています。
「助けが有れば歩けたりしているのかしら?」
はいはい、つかまり歩きで自由に行動しています。
料理もしています。
「ええっ、それはすごい。
あなたよくそれを禁止しないでいるわね、えらいわ、えらい。」
義理の母を13年間介護した経験が有るそうだ。
「介護っていうのは、経験した人じゃないと分からない、
経験の無い人に言うと、『たいへんね』って言われてもむなしいから、
私はもう誰にも言わなかったの。」と語る。
未経験の人にとって、これは大きな損失だと思う。
生半可な慰めなんか言わないで、
「わー、自分の時に思い出そう、役に立つわー、また話してね。」とでも
言えれば、お互いに資すると思うのだが。
お義母さんは糖尿や脂肪肝などが有ったそうだ。
甘いものを異様に欲したそうだ。
砂糖がいやに減るので、あるときこっそり見てみたら、
ココアにカレースプーン5杯の砂糖を入れて作っていたという。
私の母も甘いものが好きで、砂糖がどんどん減るのだが、
こりゃ負けた。
最後の2年間は寝たきりになったそうだが、
やはり、動ける間がとてもたいへんだった、と言う。
「ごめんなさいね、せっかくのショートステイ中の日に。」
いえいえ、お話しできて良かった。
またショートステイの時にお知らせしますので、面会に行ってやってください。
※
残り3日。
最後の半日は、薬のセットとか、介護用品の準備とか、
家の中を母の生活に合わせた状態に戻すために費やす。
それまで、もういっちょ働くべし。
8泊9日のショートステイに入っている。
創世記の神は7日目に休んだそうだが、
私は6日目に休んでいる。
レスパイトとは、介護者の休養を意味する。
ステイ中は介護のレスパイトにはなるが、
家事は質量ともに普段以上の事をする。
粗大ゴミを出し、押し入れと物置を片付け、
鍋とシンクを磨き上げ、庭の木を三本剪定したら、
くたびれちゃったよ。
目が覚めたら、9時だった。
よく寝た。
よく寝られたものだ。
普段なら、朝6時に定期巡回介護サービスが入るので、
否が応でも起きる。
介護してもらうために入っているのだから起きなくても良いはずだが、
介護士さんに向かって犬が吠えてしまうので、それを鎮めるために起きる。
私が行けば、犬は吠え止む。おはよう、早く散歩に行こう。
※
庭木を伐るのも、普段だとそこまで手が回らない。
枝を張り、天を突く。
横にも縦にも伸び放題に伸びている。
塀を越えて隣家に張り出した枝を伐る。
そこだけ伐ったところで、伐ったところは日当たりが良くなるから、
またそこへ伸びるだけのことだ。
敷地の端っこの木は、容赦せずにバッサリやる。
庭の中の木も伐る。
これを伐らないと、端っこの木が伐れない、という条件の木を伐る。
木に登って鋸を使っていると、「おはようございます」と声がかかる。
見ると、お隣のおにいちゃんだ。
「あの、街灯にかかってる木の枝、伐っていいですかね?」
ひええ。次にやろうと思ってました。すみません。
けっきょく、高枝切鋏とハシゴを使って、
おとなりさんがかなりの枝を下ろしてくれた。
「これで鋸が入るでしょう。」
ありがとうごぜえます。平日にチェーンソーでぶった切ります。
さっき伐っていた木の所に戻ると、反対側のお隣さんからも声がかかる。
「この木の枝、切っちゃっていい?」
もちろんでごぜえます。すぐ伐ります。
というか、明日明後日になりますけど、チェーンソーで元から伐っちゃいます。
「よく屋根が壊れないなあ。」
ちょいと一本伐ったところでやめようと思っていたのだけれど、
お隣さんが手伝ってくれている手前、やめるわけにもいかず、
もう一本伐った。
ヘバヘバ。
※
母の古い学生さんが、私の携帯に電話をくれた。
私が小学1年生の頃からのお付き合いだ。
「私が会いに行ったら、先生は私のことを分かってくれるかしら?」
はいはい、そういう面ではしっかりしています。
「助けが有れば歩けたりしているのかしら?」
はいはい、つかまり歩きで自由に行動しています。
料理もしています。
「ええっ、それはすごい。
あなたよくそれを禁止しないでいるわね、えらいわ、えらい。」
義理の母を13年間介護した経験が有るそうだ。
「介護っていうのは、経験した人じゃないと分からない、
経験の無い人に言うと、『たいへんね』って言われてもむなしいから、
私はもう誰にも言わなかったの。」と語る。
未経験の人にとって、これは大きな損失だと思う。
生半可な慰めなんか言わないで、
「わー、自分の時に思い出そう、役に立つわー、また話してね。」とでも
言えれば、お互いに資すると思うのだが。
お義母さんは糖尿や脂肪肝などが有ったそうだ。
甘いものを異様に欲したそうだ。
砂糖がいやに減るので、あるときこっそり見てみたら、
ココアにカレースプーン5杯の砂糖を入れて作っていたという。
私の母も甘いものが好きで、砂糖がどんどん減るのだが、
こりゃ負けた。
最後の2年間は寝たきりになったそうだが、
やはり、動ける間がとてもたいへんだった、と言う。
「ごめんなさいね、せっかくのショートステイ中の日に。」
いえいえ、お話しできて良かった。
またショートステイの時にお知らせしますので、面会に行ってやってください。
※
残り3日。
最後の半日は、薬のセットとか、介護用品の準備とか、
家の中を母の生活に合わせた状態に戻すために費やす。
それまで、もういっちょ働くべし。
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