ミセス・パーキンソン

ある程度理屈っぽい人にとって、相手の理屈っぽさは
「なるほど、それなら納得行くわ」という手応えとなる。
理屈っぽくない人にとって、相手の理屈はただの屁理屈でしかなく、
「（しつこいなあ）わかったわかった」というあしらいになる。

和牛という漫才コンビがいる。
向かって左側の水田が、理屈っぽい。
納得の行かない事に関しては、いつまでも言い続けずにいられない。
小学生の頃から嫌われてきたその性格を、漫才のネタにして成功している。

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結婚式から花嫁が抜け出して、水田のもとへと駆け付けた。
「水田くん。わたし、あなたのことがやっぱり好きなの。」
「えっ、結婚式場から抜け出してきたの？
びっくりしたなあ、めちゃくちゃ迷惑かけて来てるやん。」
「彼が、あいつんとこ行けよ、って言ってくれたから。」
「元々来てくれるつもりやったの？じゃあ結婚式出たらあかんやん。
式場を選ぶときも、ここだったら抜け出しやすいわ、とか？
でも信じられへんよね。俺んときも式場抜け出すんちゃうかな。」
「なんでそんなん言うの？
分かった。もういい、戻る。」
「なんて言うて戻るん。
ゆっとくけど、式抜け出すより戻るほうがたいへんやで。」

https://www.youtube.com/watch?v=vmdK0d_Thag

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映画『卒業』では、男が花嫁を結婚式からかっさらう。
と、ここだけ聞くとまるで純愛もののようだが、ここまでの経緯はデタラメにも程が有る。
男はその花嫁の母親と肉体関係を持っており、それを花嫁自身にも告げている。
花嫁強奪という暴挙に出られたのも、それまで童貞でモジモジグジグジしていた反動のように見える。
花嫁が、母親と寝ているような男と手を取り合って走ってしまうのも、
親に決められた結婚よりもなんでもいいからロマンスを選んでいるだけだろう。

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とにかく理屈が通らない。全員好き勝手し放題だ。
"水田くん"が誰か登場人物だったら、何と言うだろうか。

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サイモン・アンド・ガーファンクルの「ミセス・ロビンソン」という歌がある。
私が聴き慣れていたのは、映画の翌年に発表されたアルバムに収録されたものだった。
サントラ版は、もっとジャングル・ビートっぽいカッティングをしている。

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４年くらい前に、日本語詞をほぼ完成させていた。
「ミセス・パーキンソン」と題して、
母85歳パーキンソン病をネタにした。

月に一度、自宅に幼なじみと集まって、何か歌をやるのだが、
自宅だから母がいて、聞いている。
なんとなく遠慮して、今までやっていなかった。
ローケンに入っている、今やるべし。

なんせ、４年前に作った歌詞なので、今と病状がずいぶん違う。
この頃はまだ、月に一度くらいは教会に行っていたんだっけ。
去年の選挙に、行けなかった。
この頃は、年に一度は都知事選挙が有った。ひどいもんだ。

今、歌詞を作ったら、転倒とか火傷とか頭から血を垂らしながら床掃除とか、
そんな出来事が盛り込まれるところだろう。

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元の歌詞に、ところどころ忠実！に作っている。
著作権があるから、元の歌詞の転載はできない。
画像だったら大丈夫なのか？

※

こんにちは　ミセス・パーキンソン
思ってるほど悪くはない　ないあいあい
おはよう　ミセス・パーキンソン
日曜の午前は教会　はいはいはい　這い這い這い

計画を立てるためにうかがいます
より良いケアをするため
スタッフ一同見守っています
歩き回ってリハビリしましょ

こんにちは…

だれも気付いてないと思ってるの
今日もシュークリーム３個消えた
パーキンソンさんちの家庭の事情
ご近所や友達にもばれないように

強直中　ミセス・パーキンソン
前傾姿勢で突進歩行　おうおうおう
こんばんは　ミセス・パーキンソン
右手右足ふるえ　えいえいえい　へいへいへい

雨上がり　あたたかな　昼下がり
歩行器押してお出かけ
年に一度の都知事選挙
清き一票のゆくえはいかに

今いづこ　ジェリー藤尾
遠くへ行ってしまった　どこか
どこ行くの？　ミセス・パーキンソン
最初の一歩が出ない　ないあいあい　はいはいはい