犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

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下位犬の立場

2018年05月19日 | 犬と暮らす
雄犬ジーロ12歳10ヶ月。

一腹仔、つまり同時に生まれた仔犬は7匹だった。
その内、唯一の雌犬カバサと一緒に、我が家で飼っている。
カバサは11歳の誕生日まであと5日という日に、先立ってしまった。

メスで、強かった。
知力体力ともに優れていた。
運動能力が高く、決めごとを覚えるのは早かった。
ルールもよく理解したが、それを上回って自我の欲求が強かった。

つまり、活発によく遊び、他の仔犬を踏みつけて走り、
とても元気で、いばりんぼで、
よくジャンプして、高い所に置いた物も盗り、
芸をよく覚え、家のルールを破ってはごまかした。

ジーロ下僕はそんなカバサ女帝に逆らうことはできなかった。
逆らえば、本気の喧嘩になり、
感情的に攻撃するジーロはすぐに疲れ、
立派な防具(たっぷりたるんだ首の皮)を持ったカバサは後半になって反撃し、最終的に勝つ。

本気の喧嘩は2年に一度くらい有った。
ジーロの我慢メーターが2年で一杯になるのだろう。

カバサにとって、自分よりちょっと小柄な動物は全て獲物だ。
一度狙ったらしつこく追撃する。

「高い所にいるから」と油断している、塀の上の猫にも跳び付いた。
猫はビックリする。こんなに高く跳ぶ犬もいるのか、と。

カバサが猫を追えば、ジーロも従った。
散歩中、道端の垣根の中に潜んでいた猫に、二匹で襲いかかってしまって困ったことも有る。



サンルームで、ジーロがじっと立っている。
おかしい。
サンルームにいるなら、椅子の上で寝るはずだ。
立っているなら、動きが有るはずだ。
何を固まっているのだろうか。具合が悪いのではないか。

近くに行くと、ハッと私に気付いた後も、また正面に視線を戻す。
傍らに立って、視線の先を見てみた。

ガラス戸を挟んで、すぐ目の前に、仔猫がいた。
親きょうだいとはぐれたのだろうか、物陰に一匹でいる。
コンクリートブロックを立てて置いてある、その上の段の穴に登ってみたりしている。
一人遊びしているのか、なんだろうか。

ジーロはそれに、吠えもせず、構いもせず、じっと見ているのだ。

カバサだったら、猫なんか許さない。
吠えて吠えて吠えて吠える。

猫は、犬が家から出られないのを知っている。
とは言え、あまり吠えられれば平気ではないから、庭に入ることは有っても、
サンルームから見える所はあまり通らなかった。

それが、最近はサンルームからほんの2、3mの所で猫が寝ていることも有る。
ジーロは全く気にしないのだ。

以前は、ジーロも吠えた。
リーダーであるカバサが吠えたら、自分も吠えた。
何に向かって吠えているのかは、分かっていなかったのかもしれない。
窓際にいるカバサの後方で吠えていた。



群れの動物である犬として、リーダーが吠えれば従って吠えるし、
リーダーが追えば従って追う。
ジーロにとってはそういうことだったのかもしれない。
自分一匹でいるなら、猫は吠えたり追ったりする対象ではなく、
なんかいるから見る、といった程度の物なのか。

この犬だけだったら、他の動物も同時に飼ったりできるのかもしれない。
いや、猫を飼うつもりは無いが。

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