いっくら気張ってもウンコが出なかった時にどうするか。
もうそこまで来ているのに、最後の門をくぐり抜けられないのだ。
※
まず、私の排便事情を知っていただこう。
酒を飲み過ぎると、翌日の便がゆるくなる。
アルコールの影響で、腸が動き過ぎて通過が速くなるのか。
子どもの頃はいくら食べ過ぎてもお腹を壊さなかった。
しかし、中学一年の時に牡蠣にあたって以来、下痢がちになった。
今は毎晩、酒を呑んでいるけれども、過ぎないようにしている。
一方、子どもの頃からオナラが多かった。
今では、他人様の家に行った帰りや、友達が家に来た後など、
ガスで腹が張って痛くなったりする。
朝起きて、20分以内には便意が来る。
この意味においては快調だ。
しかし、オナラが多いのは改善したい。
そこで、腸内の菌様に頼ろうと考え、
菌ものの錠剤を試みている。
ミヤリサンつまり宮入菌や、酪酸菌・乳酸菌・糖化菌を含むビオスリーで
変化が出る。
ところが、ミヤリサンを飲んで便がしっかり固まると、
途端に出しにくい。
日頃、きばる必要が無いせいで気張り力が弱まっているのだろうか。
きばって出ない時は、手で会陰部を押さえる。
すると、するすると出る。
この内側が淀みになってしまって出にくくなっているのだろう。
そこの筋力が弱いのか。
もっと鍛えないと、フツウの固さの便に耐えられないか。
※
朝起きて、トイレに行って出して、そしてすぐに犬の散歩に行く。
歩いて10分あまりのドッグランに行くと、
犬はフェンス際を一周嗅ぎ回って、場所を定めて、排便する。
ころころとした便が、3部に分かれて出る。
私はそれを3段切り離しロケットと呼んでいる。
ウーゴが排便するのは、一日にその1回だけだ。
夕方の散歩では落ち着かないので排便はしない。
つまり、私も飼い犬も、朝の排便習慣がよろしい。
が、競合する。
お互い、朝起きたら早く排便を済ませたい。
犬は早く散歩に出たいが、私は自分のトイレを先に済ませたい。
すぐに出そうなほどの便意が有れば自分を優先する。
そうでもない時は、犬の散歩を優先する。
※
朝、犬の散歩に行って帰ってから、便意が訪れ、トイレに入った。
確かな存在感が有る。
いきむと直腸に進んで来る。
さあ出たまえ。
と気張るが、
出ない。
いつもなら会陰部を指先で押さえると出るのだが、
それでも出ない。
洋式の便器はいけない。
しゃがむ姿勢にならないと、中の筋肉の腱が
直腸の通り道の邪魔をしてしまう。
15年くらい前に、母の介護のために取り付けた手すりにつかまって、
私は便座の上に乗ってしゃがんだ。これでどうだ。
ダメだ。
肛門に引っ掛かっている便が有る。
ペーパーで包むようにして摘まんで、取り除く。
そいつを取れば次が出るかと言うと、そうでもなくて、次がまたつっかえる。
※
もしかすると昨日、もしかすると昨日一昨日と二日連続で、
私は犬の散歩を優先して、自分の排便をおろそかにしたんだったか。
日が経って、水分が大腸で再吸収され、便が硬くなってしまったか。
※
格闘すること30分くらい。出ない。
硬過ぎて、出てこないようだ。
要介護の母は、若い頃の便秘がひどくなっていた。
3日出なかったら、看護師さんに浣腸してもらったり、
あるいは摘便してもらっていた。
摘便。
便を摘まみ出すんである。
そうだ。
もうそれしか無い。
肛門に便が「こんにちは」している感覚を抱えながら、
私は別室に置いてあるディスポーザブル手袋を取りに行った。
母の介護のために、切らさないように買いだめしていたものだ。
右手に手袋をはめて、
いざ、摘便!
つづく
もうそこまで来ているのに、最後の門をくぐり抜けられないのだ。
※
まず、私の排便事情を知っていただこう。
酒を飲み過ぎると、翌日の便がゆるくなる。
アルコールの影響で、腸が動き過ぎて通過が速くなるのか。
子どもの頃はいくら食べ過ぎてもお腹を壊さなかった。
しかし、中学一年の時に牡蠣にあたって以来、下痢がちになった。
今は毎晩、酒を呑んでいるけれども、過ぎないようにしている。
一方、子どもの頃からオナラが多かった。
今では、他人様の家に行った帰りや、友達が家に来た後など、
ガスで腹が張って痛くなったりする。
朝起きて、20分以内には便意が来る。
この意味においては快調だ。
しかし、オナラが多いのは改善したい。
そこで、腸内の菌様に頼ろうと考え、
菌ものの錠剤を試みている。
ミヤリサンつまり宮入菌や、酪酸菌・乳酸菌・糖化菌を含むビオスリーで
変化が出る。
ところが、ミヤリサンを飲んで便がしっかり固まると、
途端に出しにくい。
日頃、きばる必要が無いせいで気張り力が弱まっているのだろうか。
きばって出ない時は、手で会陰部を押さえる。
すると、するすると出る。
この内側が淀みになってしまって出にくくなっているのだろう。
そこの筋力が弱いのか。
もっと鍛えないと、フツウの固さの便に耐えられないか。
※
朝起きて、トイレに行って出して、そしてすぐに犬の散歩に行く。
歩いて10分あまりのドッグランに行くと、
犬はフェンス際を一周嗅ぎ回って、場所を定めて、排便する。
ころころとした便が、3部に分かれて出る。
私はそれを3段切り離しロケットと呼んでいる。
ウーゴが排便するのは、一日にその1回だけだ。
夕方の散歩では落ち着かないので排便はしない。
つまり、私も飼い犬も、朝の排便習慣がよろしい。
が、競合する。
お互い、朝起きたら早く排便を済ませたい。
犬は早く散歩に出たいが、私は自分のトイレを先に済ませたい。
すぐに出そうなほどの便意が有れば自分を優先する。
そうでもない時は、犬の散歩を優先する。
※
朝、犬の散歩に行って帰ってから、便意が訪れ、トイレに入った。
確かな存在感が有る。
いきむと直腸に進んで来る。
さあ出たまえ。
と気張るが、
出ない。
いつもなら会陰部を指先で押さえると出るのだが、
それでも出ない。
洋式の便器はいけない。
しゃがむ姿勢にならないと、中の筋肉の腱が
直腸の通り道の邪魔をしてしまう。
15年くらい前に、母の介護のために取り付けた手すりにつかまって、
私は便座の上に乗ってしゃがんだ。これでどうだ。
ダメだ。
肛門に引っ掛かっている便が有る。
ペーパーで包むようにして摘まんで、取り除く。
そいつを取れば次が出るかと言うと、そうでもなくて、次がまたつっかえる。
※
もしかすると昨日、もしかすると昨日一昨日と二日連続で、
私は犬の散歩を優先して、自分の排便をおろそかにしたんだったか。
日が経って、水分が大腸で再吸収され、便が硬くなってしまったか。
※
格闘すること30分くらい。出ない。
硬過ぎて、出てこないようだ。
要介護の母は、若い頃の便秘がひどくなっていた。
3日出なかったら、看護師さんに浣腸してもらったり、
あるいは摘便してもらっていた。
摘便。
便を摘まみ出すんである。
そうだ。
もうそれしか無い。
肛門に便が「こんにちは」している感覚を抱えながら、
私は別室に置いてあるディスポーザブル手袋を取りに行った。
母の介護のために、切らさないように買いだめしていたものだ。
右手に手袋をはめて、
いざ、摘便!
つづく
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