犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

ゲゲゲの調布発信
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「物」を思う

2019年07月09日 | 日々
[あらすじ] A3コピー機を処分。win95デスクトップは押し入れに。

家の片付けをしているのは、老母がショートステイに入っているからである。
のびのびと片付けができる。

このところ、2ヶ月に一度9日程度のショートステイという
ペースでやってきた。
しかし、7月と8月は5日づつに分けてみた。

今回お世話になっているショートステイは、
13時にお迎えに来て、帰りは10時半だ。
5日間とは言え、午後お迎えで午前に帰って来るとなると、
実質は中三日というところだ。
あっという間さ。

というわけで、今回のショートステイ中の家の片付けは
コピー機の処分、跡地の介護スペース整備、
この一点に絞った。



台所もきれいに片付けて、自分の使いたいタイミングで
気持ち良く使える。
だから、のびのびと料理もできるというものであり、
自分の食生活の立て直しもショートステイのテーマの一つだ。

だが、せっせと片付けをしていると、くたびれて料理する気にもなれない。
結局、普段とあまり変わり無いような感じになってしまっている。

とにかく中三日は短い。
休んでいる暇は無い。



とかくペーパーレスを言われるご時勢だ。
しかし、学者の家は本に溢れている。
原稿用紙に溢れている。
そしてコピー機で増幅する。

我が家からペーパーを排除したら、すっからかんになるだろう。



40年あまり前、母が『奄美方言分類辞典』の仕事をしていた頃、
一つひとつの項目はカードで作っていた。
もちろん、紙のカードだ。
名刺2枚分くらいの小ささのカードに、
一つの言葉の発音や意味などを書いて、それを整理する。

思えば、この辞典は手書きだった。
今じゃ考えられないような作業だが、
方言研究とか辞書編纂とかいった仕事の基本だったわけだろう。



方言のネイティブ・スピーカーに会って、話を聞き、発音記号に起こすのが母の仕事だった。
最初の頃は、録音機材すら使っていなかったようだ。

島へ行くようになって、カセットテープレコーダーを使うようになった。
それから、それがデジタル化した。
デジタルのカセットテープだ。なんて言ったっけ。あれは短命だった。

そういった録音テープも、山のように保管してある。
データ化する価値が有る物も、中にはあるのではないか。
方言調査の録音データは、調査員の手元だけでなく、
研究センターにもコピーを渡していたのか。
まあ、私が心配することじゃあないのだ。



人が何十年と仕事をすると、ずいぶんたくさんの物が蓄積される。
記録の物が残るタイプの仕事をする人だったからだ。

仕事にもいろいろ種類が有るが、
今後はどうなっていくのか。

たとえば母が愛用してきたワープロからパソコンのメーカーである
富士通は、ものづくりから撤退していくようだ。

どうなるのだ。
本当に、物というものから離れて、人間の生活はどうなっていくのか。



音楽に関するメディアも、
レコードやカセットテープ、MDの頃が有り、
CDも今や無くなりつつあり、データ配信の時代になってきている。

でも音楽づくりにはやはり物は必要だ。
楽器という物は無くなるはずも無い。
ライブの楽しみは絶えることは無いだろう。



私は物が好きだ。
物をいじくることも好きだ。
物づくりのための道具も好きだ。



我が家に溢れている物、
本、原稿、録音などは、
どれも記録であり、データ化できるものだ。
物ではあるが、内容が主なのだ。

楽器や工具などとは種類が違う。
データ化できる物は、片付けることができる時代になったのだ。

と、思う。
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