犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

ゲゲゲの調布発信
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人間の軸

2017年12月29日 | からだ
それを魂と呼ぶのなら、私は魂を信じている。
ついさっきのできごとの記憶もアヤシイくらいだし、
生まれてくる前とか前生とかの記憶はまるで思い出せない。
それでも、自分というものは今生だけで終わると思っていない。
一生という言葉は、ただひとつだという意味ではなく、
多々有る中の今回のひとつ、という意味だろう。
「たった一度の人生だもの」というのとはまた違った感覚で、
今の人生を大事にしようと思っている。

肉体を持ったこの時間、それ以外の時間も自分の範囲であると思う。
肉体に囚われていることはなんとつまらないのだ、と思っていた時期もあったが、
なんだか、今は面白く感じている。

二本の足で立ってみて、手が空いたから器用になって、顎が小さく脳が大きくなって、
人間として地球上に生きるという枠の中で、人間の身体はずいぶん精一杯やっている。

金管楽器を吹くことや、人生の様々な場面を乗り越える中から、
心身への興味が嵩じて、鍼灸師になった。
現状、鍼灸師として生活できてはいないが、それでもやっぱり心身への興味は尽きない。

心身をもって生きる中で、大事なことがいくつかある。

心と体は分けて考えるものではないこと。
脳=心ではないけれど、脳はかなりの働きをしている。
体の問題だと思っていることの多くは心の働きである。

最重要は、重心を通すこと、だと考えている。

人間の脳は大きい。
重たい頭が、直立の上に乗っかっている。
まっすぐな棒の上になら重い物が乗っていても大丈夫だが、
棒が少しでも傾いていると、支えるためにとても力が必要になる。

つまり、姿勢が悪いと、筋肉に無駄に力が入る。
首、肩、背中、腰といったところが凝るのはこのせいだ。
重心が通っていれば、無駄な力は必要無いので、外側の筋肉はやわらぐ。

姿勢を保つのは深層の筋肉だ。
これをよく使えば、楽でいられる。
それが、人間が地球上で脳みそを持って生きるための、
基本姿勢だと思う。

このことさえしっかり伝えられれば、
もう他のことなんかねちゃねちゃとブログに書かなくても良いとすら思う。

重心が通ると、体の各部の重さは、
その重心を通って、足の裏を経て地に通る。
だから、体が軽くなる。
背骨と背骨を繋いでいる筋肉からもよけいな緊張が抜ける。
年を取ると身長が縮んでくるが、あれは背骨周りの筋肉が緊張して
背骨同士をぎしぎしと擦り合わせているからだろう。
だから、重心が通ると、背が伸びる。

重心が通ると、余計な緊張が取れて、
必要なところは引き締まってたるみが取れる。

伝統的な鍼の治療は、「氣を流す」と言うが、
私はこれを「重心を通す」ことだと考えている。
ただ、重心を通すことは、なにも鍼に頼らなくても、自分でできる。

吊り人形のように天から吊られているとか、
足の下6400kmの地球の中心からまっすぐ立っているとか、
そういったイメージを持ちつつ、
顎と臍下を内側に引いて立てば良い。

みなさまのご健勝を祈ります。

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