犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

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うさきこう『ぼくのほんとうの話』

2018年07月29日 | よみものみもの
出口から遠い席だったにもかかわらず、人の流れに乗って動いていたら、
3人目くらいに物販の場所に流れ着いた。
既に持っている『ぼくのほんとうの話』をもう一冊買って、私は
一番にこうくんの前に進み出た。

台風で豪雨の予報だった。
留守の間、家の雨漏りがひどくなるかもしれない。
夕方のヘルパーさんが来られなくなるかもしれない。
電車が止まるかもしれない。道路が冠水するかもしれない。
迷った挙句に車で渋谷に向かった。
合羽に短パンにサンダルがけ、手拭い3本とタオルを持って映画館に向かった。

映画『性別が、ない!』を見に行った。
台風の予報でも初日の2回目に行ったのは、上映後にトークショーが有ったからだ。
監督の渡辺征悟さん、著者の新井祥さん、アシスタントのうさきこうさんの3人。

映画の感想は山ほど有る。
メモがわりに少しツイートしたけれど、ほんの一部だけだ。
思ったこと考えたことを丁寧に書いたら2週間は軽くネタになるだろう。
映画を見ながら、A4の紙に3ページ、メモを取った。

トークショーが意外と短く終わると思ったら、サイン会が有ると言う。
聞いてねーよ!嬉しい!
本は何冊目でも買うよ。サインしてもらいながら少しでもしゃべるのが楽しみなんだから。

映画の感想を、手短に伝えた。
とても手短になんかできない、重要な部分についての感想だったので、
短い割にディープ過ぎて、うまく伝わらなかったかもしれない。
ここは後日あらためてねちねち書く。

私も小学生の頃から自覚したので、小学校の話というのは胸に響きます。
気を取り直して、作品の感想を伝えた。
『ぼくのほんとうの話』の舞台は、小学生時代である。
トークショーの中で、「実際に経験した事しか書いてません。」ときっぱりと言っていた。
そこは、先生である新井のスタンスと共通しているのか。

自分が自覚したのは、まだ恋愛感情というものを持つ前、小学3年生くらいだった、と語る。
誰が好きとか、男子なら誰を思って勃起したかとか、そういったところで現れると思われがちだが、
第二次性徴などよりもずっと前に、自覚はある。

実体験だけを書いたという、うさきさんの作品にはそれだけリアリティーが有る。
同級生たちとの会話、初恋の子、お母さんの言葉、
次第に募ってゆく孤立感。
主人公のこうくんは、次第に、いつも俯いてばかりいる子になってゆく。

15年くらい前に、気付いたことを思い出す。
いつも俯いて歩いているのだ。
家の中でも外でも。
身体への違和感も有る。胸を隠すには、猫背になる。
姿勢を良くしなさい、と言われても、胸を張れない。張るわけにいかない。

今は様々な変化や対策を経て、だいぶ姿勢も良くなった。
こうくんも、堂々として見える。
カムアウトについて、もっと話を聞いてみたい人である。


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