犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

ゲゲゲの調布発信
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自分のスペース

2018年05月09日 | 介護ウチのバヤイ
東京レインボープライドも終わって、
参加者は誰しも、会った友達のことを思ったり、活動について考えたり、
身体の疲れを癒したりしつつ、パレードの余韻にひたる。
ひたりたいよね、ひたりたいけど翌日は平日で、
それぞれ職場や学業に戻ったり、地元に長旅で帰ったり、
疲れた身体に鞭打つわけだ。

午後には介護ベッド業者が来る。
午後にしといて良かった。
ベッドを移動できるように、部屋の中の物を移動する。するする。
予定の時間ぎりぎりになって、準備ができた。



寝室の入口に、10㎝くらいの段差が有る。
今思えば、なぜここにこんな段差が必要なのだか分からない。
この家を建てた44年前の当時バリアフリーという考え方が無かったにしても、
段差を設ける意味がなんだか分からない。

ただ、現実的に段差が有るので、これは歩行困難な老母にはよろしくない、
というのが介護担当者たちの一致した見解である。
私もそこでやきもきするのは面倒なので、寝室に置いているベッドを居間に持って来れば良いと考えた。
介護担当者たちもみんな同じ意見であった。

居間に、東を頭にベッドを置くと、ベッドから降りてまっすぐ進めば北側の台所、
いつもの居場所である食卓が有る。
股関節の都合などで、右向きに起き上がるのがやりやすいのだ。

というところで皆さんの意見が一致していた。
居間の物を片付けてガランと床が空いたところで、ベッドの角の位置にテープを貼って、
イメージしてみた。

東西に置くと、置こうと思っていた棚を置く場所が無い。
それに、南側にサンルームが続いているが、そっちへの通り道が塞がれる。
本人はサンルームに行かないので良いかもしれないが、私は行く。
台所から庭の方を眺めた時に、視野全体にベッドが横たわっているのも、あまり気分良くない。

ためしに、南北に置いた場合の位置にテープを貼ってみる。
余談だが、これをステージ用語で「バミる」と言う。
さて南北にバミってみると、こちらならサンルームへの通り道も確保されるし、
棚も置けるし、スペースもできる。



直径90㎝の低反発クッションを、飼い犬の寝床にしている。
この冬に買ってみたら、すぐに気に入ってくれた。
寝床を置いた場所に、ゴロンと寝てくれる。
私はこれを王座と呼んでいる。

友人Mはこれを玉座と呼ぶ。あらそっちのほうが更にかっこいいわね。
「犬はいいね」とMが言う。
猫の場合、玉座が置いてある場所が気に入らないと、
「玉座をこれへ持て。」と、移動させると言う。
さすがである。猫は生まれながらにして皇帝だ。

犬は犬である時点で下僕である。
ましてや我が犬ジーロくんは、下僕育ちである。
寝床が置いてある所で素直に寝る。

だから、ベッドが東西であろうと南北であろうとスペースが無かろうと、
あまり心配していない。
寝床を置いた所に犬は誘致できる。



ベッド業者さんが来た。
一人ですかと驚いたが、「分解できますから。」と言われ、そう言えばそうかと納得。
3モーター式の介護ベッドを手順良く分解し、
隣の部屋に着々と組み立てていく。

契約書のサインも終えたところで30分。ちょうど次の福祉用具担当者がやって来た。



天井と床で突っ張る手すりを持って来るのだと思っていたら、違った。
平行棒を持って来た。
ベッドと台所の間を、両手でつかまって間を歩くことのできる平行棒だ。

「これならこことここの行き来は安全です。ただ、こっちが通れなくなります。」
室内の南北に柵ができたようなもんで、東西の行き来がまるでできない。
それに、本人が電話口に行きにくい。

電話は可動式の台に乗っているので、平行棒の横に持って来て置くこともできる。
しかし、母は電話中はゆっくり腰かけたい。
平行棒が有っては、椅子もうまく配置できない。



とかく、本人の動線だけを考えると、他の要素がうまくいかなくなる。
独居老人ならともかく、同居のご家族の方(わたくし)の動きのことも考えねばならない。
私が暮らしにくくなるのは困る。

手すりは別の作戦に変更ということにした。



あと数日で退所と迫り、ベッドの準備もできて、本人の生活の準備もだいぶ整ってきたところで、
ふと、自分の生活に目が向く。

入所中は、母がいない分のスペースも使って、のびのびと片付けをし、
すっきりと暮らす準備をしていた。
ただし、誰がすっきりと暮らすためかと言ったら、退所後の母の生活のためであった。
自分の部屋の片付けはちっともしていなかった。手が回らなかった。

入所前のてんやわんやの数ヶ月で、自分の部屋の中は荒れていた。
精神的に精一杯で過ごしていると、日常の少しずつの片付けが滞る。
それが溜まって、部屋の中はぐちゃぐちゃになる。
久しぶりに自室を見ると、一体ここでどうやって生活していたのだろうと思った。
ゆっくり寝られるスペースも無い。

母の生活を整えることを優先し過ぎた。
ちぇっ、結局しわ寄せは来ている。
2ヶ月の入所期間は短い。

残り一日で、自室の片付けをする。
積読(つんどく)が増えている。床から本が積み上がっている。
ここも本だ。
本棚を一つ組み立てて、そこに収めればスペースができる。
これでほとんど片付くだろう。

やれやれ。
ご自愛くださいませ。

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