ティーグレ・ジャッロは言った

[あらすじ] 薪ストーブを使っているよ。
煙突の継ぎ目を耐熱アルミテープで貼り合わせたけれどやっぱり剥がれるよ。


まあ、ちゃんと貼ったところで、煙の流れができていなかったり、
煙突が煤で詰まっていたりしたら、
どうしたって煙は洩れるのだけど。


[あらすじ] 台所のペンキ塗りの壁が汚れてきた。
自分で漆喰を塗ってみたよ。


白い壁になって、北側の部屋が明るくなった。良かった良かった。
西向きの壁に、虎の鏝絵を作った。
西の方角を護る聖獣、白虎である。

勝手口の西向きの壁に作った。
高い所に作るのはたいへんだからと、
高さ１メートル前後の所に作った。
しまった。
勝手口を出入りする度に、腰に虎が引っ掛かる。
邪魔。

壁は平面のほうが良い。
という、至極あたりまえのことに思い至る。

※

漆喰を塗って半年もしたら、
なんとなく黄ばんでいるのに気付いた。
えっ、こんなに早く古びた味が付いてしまうのか？

そして二冬目の今年、
黄ばみは加速した。

これは、煙突から洩れる煙を、漆喰が吸着しているのではないだろうか。
たしかに今年は、昨年の冬よりもストーブを焚いている時間が多いし、
煙の洩れも多い。

もう、漆喰の壁は白くない。
なんだか落ち着いた色彩になっている。

※

漆喰の白で作った白虎も、どんどん黄ばんでいる。
白虎が黄ばんだらただの虎じゃないか。

「黄色い虎はただの虎だ」