犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

ゲゲゲの調布発信
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思い出し

2019年03月29日 | 日々
朝6時の介護士さんが言う。
「庭の白い花、なんですか?きれい。」
桃の木の花かな?いや視線が下か。じゃあクリスマスローズかな?

と、思った時に、電撃が走った。
思い出した!



介護士さんの指さしたのは窓のすぐ外の足元で、それはなんのことはない花だった。
ハナニラです。

ほとんど雑草のような草花だ。
どこにでも生えてくる。
道端にも咲いている。

友人Kのお母さんは「ニラバナ」と呼ぶ。
なんだろう。
なんか違う。

「ハナニラ」と花を冠して呼ぶと、
ニラなんだけど花がきれいに咲くし食べるニラとは違うんだもんね。
という意地が見える。
「ニラバナ」と呼ぶと、
花が咲いちゃった、所詮ニラに咲く花だしたいしたことないよねごめんねどこにでも生えて。
というイジケが感じられる。
濁点もいけないのだろうか。



ただ、私はハナニラの花が好きだ。
真っ白なのと、藤色のものとが有る。



私は月に1、2度、ファミレスで過ごす。
勉強道具や本やPCを持ち込んで、数時間居座る。
ガヤガヤしているが、集中できる。

去年の11月のこと。
近所の「ヨナタン」に入り、窓際の小さな席に着いた。
隣のテーブルに、どっしりとしたオバ様がいる。

目が合う。
どうも、知った顔の気がするので、
目が合ったまま、軽く会釈する。
オバ様もこちらを見て、礼を返してくれる。

腰を下ろしながら、挨拶してみる。
えーと、たいへん失礼ながらお名前も思い出せないんですが。

私は、十年あまり前まで、水道のメーター検針員をやっていた。
月に3000軒あまり、奇数月と偶数月では別の地区へ行くので合わせて7000軒、
担当が変わったり他の人のヘルプで行ったところも数えたら万はゆうに超える家々を
市内くまなく歩いている。

水道メーターは戸外に在るので、基本的に住人と会う必要は無い。
しかし、鍵がかかっていたり、車が載っていたりすれば、家人と交渉する。

そういった「お客さん」の一人だったのかもしれない。
でも、どうも見覚えがくっきりと新しい。
介護関係の人だろうか。
Tさんですか?
最近、隣の市へ転勤になった人の名前を言ってみた。

「Sです。〇〇工業のSです。」
名前を聞いても職場を聞いても思い出せない。
仕事の上で交渉する必要の有った人なら、名前を聞いたら思い出しそうなものだが。



もやもやとしながら、それぞれに食事する。

帰り際、オバ様は挨拶して行ってくれた。



2週間後、別のファミレス「ニムルド」の入り口の階段を上っていたら、
三人連れのオバ様方が出てきた。
よけようと顔を上げたら、一人と目が合った。
Sさんであった。

お互い、笑い合った。
「案外こういう所で会ってるのかもね。」
またどこかでお会いしましょう。



それから、Sさんには出くわしていない。



クリスマスローズで思い出したのだ。

何年か前から、母のためにおかずの宅配を取っている。
2年ほど前からはMさんというO脚気味で膝と腰の悪そうな男性が配達してくれている。

が、その前の配達人が、Sさんだった。

Sさんは、変形性膝関節症で手術を受けるから、配達をやめたのだ。
この会社の配達員はみんな膝が悪いのか?

時々おかずを受け取りながら会話をする中、
Sさんは玄関先に咲くクリスマスローズをほめて、
「欲しいわー」と言った。

どうぞどうぞ。
クリスマスローズは案外丈夫で、けっこう殖える。
いっくらでも分けて差し上げられる。
プランターに鉢上げして、後日の配達の際に、あげた。

思い出した。
Sさんだ。

またどこかのファミリーレストランで遇うだろう。

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