サムズルーム

[あらすじ] 同居母86歳要介護２パーキンソン病認知症状少々の介護や看護のため、
一日に４回５回と人の出入りが有る。
飼い犬ジーロくん14歳慢性腎不全は、元々気が小さいのに他人が家に頻繁に出入りするので
緊張気味。

今、犬の寝場所は介護ベッドのすぐ脇なのだが、
これを別室に変えたい。
そこで、亡父の書斎だった部屋を、片付けている。

十畳間の壁２面が天井まで本棚で、古い本や書類や手紙や原稿や日記などが詰まっている。
これを、じゃんじゃん捨てる作業である。

できれば、全面に新しくワックスを掛け直したい。
犬の足が滑らないようなワックスだ。

そのためには本箱を移動するか。
たいへんだから、壁際は諦めるか。
いやしかし、2011年の地震以来、本箱が微妙にずれている。
これを積み直す機会ではないか。

まずは本箱の中の古い本を、それはそれは立派でもったいない感じの本だが、捨てる。
古い百科事典や、古い辞書だ。
オックスフォードがどうしたウェブスターだのなんだの。

そして、取っ散らかった室内を片付け、
本箱を部屋半分に寄せて、空けた半分を掃除してワックス掛ける。
乾いたら逆に寄せて、残りのワックスを掛ける。

想像するだにたいへんだ。

しかし、今は廊下に置いてある冷蔵庫を室内に入れたら快適だろうし、
犬と一緒に過ごせる時間はぐっと増えるだろうし、
母の状態を気にせずに友達を家に呼ぶこともできるようになるだろう。

そっちを想像すれば、作業も苦にならない。

※

私の父であった人、須山静夫さんは、アメリカはミシガン大学に留学していた。
自分でミドルネームをSamと自称したという。
アンクルサムっつったら合衆国の象徴ではないか。
なんと大きく出たのだ。

そしてついでにもう一つミドルネームを連ねて、
イニシャルに４つＳが並ぶようにしていたそうだ。
曰く、サム・シズオ・スケベ・スヤマ、と。

やれやれ。

※

この家を建てたのは45年前で、
死んだのは2011年だったが、最晩年はこの部屋は使っていなかったので、えーと、
50歳からの30年ほどをここで過ごしたわけか。
今の私と同じ年齢の頃にここに住み始めたのだな。ふむふむ

※

はーいお待たせいたしました。
今日も、S.S.S.S.の部屋を片付けていたら、出ました。
Ａ４の紙に、５葉のモノクロ写真をまとめてコピーしたものが。
写真は女性の陰部のもので、モザイク無し。

いやー。
ものがたく分厚い辞書などを片付けている最中に突然こういう写真が出てくると
度肝を抜かれるね。
何もそんなに正面から撮らなくってもというくらい正面からの写真。
しかも５人分。
〆て５万個か。

やれやれ。