犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

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反薄明光線

2021年08月05日 | うつろい

反薄明光線を初めて見たのは、12年ほど前のことだった。
たしか7月の半ば頃の夕方だった。
日が沈みかけてきたくらいの時間に、東の空に放射状の光芒が見えた。

なんだろう。
新宿で何か派手なことでもやってるんだろうか。

私の住む深大寺辺りでは、
夜、東の空がぼんやり明るく見える。
雲の有る夜はひときわ明るい。
都心の灯りである。

そういうものかと思ったが、
まだ日も暮れていない中で見えるにしては
ずいぶんな強さの光源が有ることになる。
おかしい。

後で調べて分かったが、それは「反薄明光線」という現象だった。



薄明とは、日の出や日の入りの頃の薄明るいこと。
薄明光線とは、昇る太陽や沈む太陽から広がる光芒のこと。

そして、反薄明光線とは、その反対側に現れる光芒のことだ。
別名、裏後光とも言う。

太陽がうまいこと雲に隠れていることや、
空気中の湿度の塩梅が条件になるようだ。

薄明光線の光芒がずーーーーーーーーっと伸びて、
それは平行線なので、ずーっと伸びて反対側の空へ
遠のいていく時には、収束していくように見える。
それが、そこだけを見ると、逆にそこから放射しているように見えるわけだ。
我々は、光線が光源から離れていくのよりは、
光源から光が放たれているほうが見慣れているからだろう。



去年は9月の初めの朝に見ている。
https://blog.goo.ne.jp/su-san43/e/af8b06f6513f768d1f864a500eee0311
この時は、日の出の方角から西の空まで、
全天に亘って大きな帯ができていた。
うっすらとしたものだったが、
とにかく空全体だったので、見応えが有った。

そんなに珍しい現象ではないのだが、
たまたま視界に入らないと気付かないかもしれない。
私も初めて見たのは40歳頃だったわけだ。

一方で、一度知れば、目に入った時に「これは」と気付きやすくなる。
知らなきゃ見えないし、知っていれば見える。
という類のものの一つだと思う。

初めて見て以来、蒸し暑い夏にも
ちょっと楽しみができた。



昨日の裏後光は、東の空にくっきりと出ており、
そこから、かすみの白と空の青の帯が広がっていた。
なんとも良い色だ。
写真や動画では伝わらない、不思議な奥行きが有る。
雲よりも細かいという水滴によって醸し出されているのだろう。

南の空だけを見たら、
意外に青い空に、輪郭のはっきりしない白い雲が出ているように見えただろう。
雲ではなかったのだ。
夏らしい雲じゃないな、と気付いて別の方角の空を見たら、
きっと裏後光が目に入っただろう。



私はたまたま東の方向へ車を走らせていたので、気付いた。
下り坂の途中で車を停めて写真を撮った。

ビルの屋上や高架の上からの、もっと良い映像がインターネットでは見られる。
https://news.yahoo.co.jp/articles/17f459b3934d97a1630d03035dcb66f6bb4ce0ed
一度見ておくと、こんなもんが反薄明光線なのね、と知ることができて、
次回からは目に入るようになる。

夏のお楽しみの一つ。
いや暦はもう秋だな。
ツクツクボウシが鳴いている。

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