雄と雌のきょうだい犬を飼っている。
雄は14kg、雌は10kgの中型といったところ。
2005年7月25日生まれ。
雄がジーロ、雌がカバサ。
飼い始めた頃ちょいとボサノバを練習していたので、ポルトガル語で名付けた。
ジーロは回るという意味だが、熟語にすると散歩するという意味になる。
カバサは楽器にもあるが、瓢箪の意味だ。頭のブチが瓢箪の形なのだ。
雌で小さい方が、しかし活発で旺盛なので、優位だった。
2年に一度、本気の喧嘩をした。
一時ジーロ優勢に見えたとしても、結局はカバサが勝つ。
強いのだ。
強さのひとつの理由は、首の皮だ。
びよんびよんに伸びる、豊かな首の皮を持っている。
いくら咬まれてもへいちゃらなのだ。
びよびよの首の皮ほど、犬の喧嘩で上等な防具は無い。
全てにおいてカバサは優位である。
家の中の一番良い席はカバサの席である。
カバサがひと声うなれば、ジーロは即座に席を譲らねばならない。
ジーロは四六時中、カバサの動きに注意を払う。
仔犬の頃から、その活発さの差は歴然としていた。
生後2週の頃に見に行った時の写真では、
ジーロは小屋の一番奥にいる。
カバサはいつも走っていた。
7匹のきょうだいのうち、もう一匹がカバサとよく似ていた。
2匹は他のきょうだいが寝ている上を駆け回っていた。
※
そんなカバサが今、終わりを迎えようとしている。
水を飲むために上体を起こすのがやっとだ。
今日はそれも無理になるのかもしれない。
日に日に弱っていく。
夜中に自力で上体を起こし、水を少し飲んだ。
10分あまり後に、たくさんのおしっこをした。
尿は茶色と言っていいくらいに濃い。
3日前から散歩に出られなくなった。
その2日前から何も食べられなくなった。
やっと散歩に出ても、後足を引きずり、数10m行くと立ち止まって何分も休む。
いつもの倍の時間をかけてでも、いつも行く場所まで行きたがる。
便に、濃い赤茶色の部分がある。
腸に出血があるのだろうか。
食べたがらない。
もともとスマートなので、痩せると目立つ。
息が小刻みで強い。
家に集まったおさななじみ達が異変に気付いた。
餌を食べ残すことが時々ある。
見えた事をさかのぼってきてみたが、思えば、
最初におかしいと思ったのは、
体臭が変わったことだ。
※
もうすぐ11歳の誕生日だ。
若い。
まだ若い。
雄は14kg、雌は10kgの中型といったところ。
2005年7月25日生まれ。
雄がジーロ、雌がカバサ。
飼い始めた頃ちょいとボサノバを練習していたので、ポルトガル語で名付けた。
ジーロは回るという意味だが、熟語にすると散歩するという意味になる。
カバサは楽器にもあるが、瓢箪の意味だ。頭のブチが瓢箪の形なのだ。
雌で小さい方が、しかし活発で旺盛なので、優位だった。
2年に一度、本気の喧嘩をした。
一時ジーロ優勢に見えたとしても、結局はカバサが勝つ。
強いのだ。
強さのひとつの理由は、首の皮だ。
びよんびよんに伸びる、豊かな首の皮を持っている。
いくら咬まれてもへいちゃらなのだ。
びよびよの首の皮ほど、犬の喧嘩で上等な防具は無い。
全てにおいてカバサは優位である。
家の中の一番良い席はカバサの席である。
カバサがひと声うなれば、ジーロは即座に席を譲らねばならない。
ジーロは四六時中、カバサの動きに注意を払う。
仔犬の頃から、その活発さの差は歴然としていた。
生後2週の頃に見に行った時の写真では、
ジーロは小屋の一番奥にいる。
カバサはいつも走っていた。
7匹のきょうだいのうち、もう一匹がカバサとよく似ていた。
2匹は他のきょうだいが寝ている上を駆け回っていた。
※
そんなカバサが今、終わりを迎えようとしている。
水を飲むために上体を起こすのがやっとだ。
今日はそれも無理になるのかもしれない。
日に日に弱っていく。
夜中に自力で上体を起こし、水を少し飲んだ。
10分あまり後に、たくさんのおしっこをした。
尿は茶色と言っていいくらいに濃い。
3日前から散歩に出られなくなった。
その2日前から何も食べられなくなった。
やっと散歩に出ても、後足を引きずり、数10m行くと立ち止まって何分も休む。
いつもの倍の時間をかけてでも、いつも行く場所まで行きたがる。
便に、濃い赤茶色の部分がある。
腸に出血があるのだろうか。
食べたがらない。
もともとスマートなので、痩せると目立つ。
息が小刻みで強い。
家に集まったおさななじみ達が異変に気付いた。
餌を食べ残すことが時々ある。
見えた事をさかのぼってきてみたが、思えば、
最初におかしいと思ったのは、
体臭が変わったことだ。
※
もうすぐ11歳の誕生日だ。
若い。
まだ若い。