赤十字とわたくし

[あらすじ] 20年前、献血の問診票で、同性と性的接触を持ったと馬鹿正直に○したら
献血を断られた。
http://blog.goo.ne.jp/su-san43/e/302a28725a57fd4ce9832fc944d206bc

昨日ここで書いた後、探したら当時の問診票の資料が見付かった。
http://plaza.harmonix.ne.jp/~y-paolo/material020103.htm
件の質問は、こうだ。

１４．この１年間に次のいずれかに該当することがありましたか。
（１）不特定多数の異性と性的接触をもった。
（２）同性と性的接触をもった。
（３）エイズ検査(HIV検査)で陽性といわれた。
（４）麻薬・覚醒剤を注射した。
（５）（１）～（４）に該当する者と性的接触をもった。

つまり、この(2)に該当したわけだ。
だが一方で、(3)に反する証明も得ていた。

帰り道は泣き虫だったが、帰宅してすぐに、赤十字に電話をした。
献血の問診票について質問したい、と言うと、
すぐに担当者の女性に繋がった。

まず名前を名乗り、自分の性的指向を説明し、
最近保健所で検査を受けて陰性が出たことを話し、
そして、今日の何時頃に、どこの献血車で、どのようなことがあったかを話した。

問診票では「同性」とひとくくりにしているが、
女性の同性間の性的接触は、男性同性間よりも異性間よりも
感染率がずっとずっと低いという統計があることも話した。

担当者はきちんと話を聞いてくれたし、私の話を信用してくれた。
なんという言葉を使ったか忘れたが、（なんせ20年前だから細かいこと忘れた）
須山さんのような○○（まじめ、とかだったか？）な方もいらっしゃる、
というようなことを言った。

当時、HIV抗体検査の代わりに献血を利用する、ということが横行していたのだ。
問診票でも、上の質問の次にこうある。
１５．エイズ検査(HIV検査)を目的とした献血をお断りしています。
その理由をご理解いただいていますか。

私はご理解ご協力していたが、理解していない人や、理解していてもやる人なんか
いくらでもいただろう。

その担当者の、丁寧で理解ある態度に納得して、私は言いたいだけのことを言い、
話をちゃんと聞いてもらえたという実感を得て、電話を終えることができた。
が、後々考えてみると、だから赤十字としてどういう対応を取る、というような
返答までは得ていなかったように思う。

しかし、こういった草の根的な行動が、きっと社会を変える。
そんな信念も、持っていた。


つづく

この古い問診票の問題点と、その後の変遷についてまた書きます。