[あらすじ] 家土地道路に関する書類を求めて、亡父の書斎を捜索。
悲しいこだわりの品々の中に、エロの詰まった箱をいくつか発掘した。
出土品は既に埋め戻した
いや、
出てきたエロ箱はまた元あった本棚の上の簡単には手の届かない場所に戻した。
もう一度箱を下ろして、本のタイトルを確認する気にはなれないのだが、
本が数冊、カバーをかけて入っていた。
いくつかは外国のエロ小説、
ひとつはガリ版刷りのエロ小説、
ひとつはアメリカの様々なエロ商品を紹介した英語の本、
ひとつはやはりアメリカのエロ小説。
それから、『性生活のなんちゃら』といった本。
どの体位だとどの角度でどの辺りに当たる、なんてなことが
懇切丁寧に延々と解説されてある。
あきれたのは、この手の本が2冊あったことだ。
要らん。
丸と線で表現された二人の人間が様々な形で組み合わさっている図を
染め抜いた、ハンカチのような布きれも入っていた。
要らん。
封筒の束。
それは「日本芸術出版会」とかなんとか
あ、しかも「藝術」と、コムズカシイ漢字を使っていたな、
なんだかそういう名前の会社からのダイレクトメールの束であった。
正体はエロ写真集などの出版社で、サンプルの写真が小さくズラリと
印刷されてある。
これを後生大事に保管してある。
要らん。
そして、5×6×8cmほどの、小さな桐箱。
表には、鳴門名物清少納言の秘物、と筆書きしてある。
おそるおそる開けてみると、なにやらが透明の樹脂で四角く固められたモノだった。
なにやらは、女性の陰部にたしかによく似ている。
ふっくらとした身がぱっくりと割れて襞の間から毛の束が出ている。
鳴門に行った時に求めたのか、誰かが土産でくれたのか。
要ら・・・
おもしろい。
調べてみると、今では手に入りにくいらしい。
平たく言えば、貽貝(イガイ)の標本である。
軟体動物門二枚貝綱翼形亜綱イガイ目イガイ超科イガイ科イガイ亜科イガイ属イガイ。
声に出して読もう。
よく売っているムール貝は和名でムラサキイガイというのだそうだ。
イガイはそれより大型だが、イガイという名では今は売れないため、
ムール貝といって売っている中にはイガイもあるらしい。
すると、意外と食ったことがあるのかもしれない。
それにつけても
枕草子はものすごい随筆だな。
あんなものを書いてしまうと、千年以上のちに
自分の秘所が標本でみやげ物にされてしまうわけだ。
悲しいこだわりの品々の中に、エロの詰まった箱をいくつか発掘した。
出土品は既に埋め戻した
いや、
出てきたエロ箱はまた元あった本棚の上の簡単には手の届かない場所に戻した。
もう一度箱を下ろして、本のタイトルを確認する気にはなれないのだが、
本が数冊、カバーをかけて入っていた。
いくつかは外国のエロ小説、
ひとつはガリ版刷りのエロ小説、
ひとつはアメリカの様々なエロ商品を紹介した英語の本、
ひとつはやはりアメリカのエロ小説。
それから、『性生活のなんちゃら』といった本。
どの体位だとどの角度でどの辺りに当たる、なんてなことが
懇切丁寧に延々と解説されてある。
あきれたのは、この手の本が2冊あったことだ。
要らん。
丸と線で表現された二人の人間が様々な形で組み合わさっている図を
染め抜いた、ハンカチのような布きれも入っていた。
要らん。
封筒の束。
それは「日本芸術出版会」とかなんとか
あ、しかも「藝術」と、コムズカシイ漢字を使っていたな、
なんだかそういう名前の会社からのダイレクトメールの束であった。
正体はエロ写真集などの出版社で、サンプルの写真が小さくズラリと
印刷されてある。
これを後生大事に保管してある。
要らん。
そして、5×6×8cmほどの、小さな桐箱。
表には、鳴門名物清少納言の秘物、と筆書きしてある。
おそるおそる開けてみると、なにやらが透明の樹脂で四角く固められたモノだった。
なにやらは、女性の陰部にたしかによく似ている。
ふっくらとした身がぱっくりと割れて襞の間から毛の束が出ている。
鳴門に行った時に求めたのか、誰かが土産でくれたのか。
要ら・・・
おもしろい。
調べてみると、今では手に入りにくいらしい。
平たく言えば、貽貝(イガイ)の標本である。
軟体動物門二枚貝綱翼形亜綱イガイ目イガイ超科イガイ科イガイ亜科イガイ属イガイ。
声に出して読もう。
よく売っているムール貝は和名でムラサキイガイというのだそうだ。
イガイはそれより大型だが、イガイという名では今は売れないため、
ムール貝といって売っている中にはイガイもあるらしい。
すると、意外と食ったことがあるのかもしれない。
それにつけても
枕草子はものすごい随筆だな。
あんなものを書いてしまうと、千年以上のちに
自分の秘所が標本でみやげ物にされてしまうわけだ。
まったく間違ってるんです。あはは
間違っているのを何度かご指摘いただいているので、
「源氏物語はものすごい小説」のところを
「枕草子はものすごい随筆」に直しました。
紫式部も清少納言も、ごめんね。