髪を伸ばしている。
ネタを録画するためだ。
本来は、短めが好きだ。
役作りのため、切らずに我慢している。
あたし、女優なのよ。
ふだん、髪が短いと、男性に見られることのほうが多い。
「おにいさん」とかなんとか声を掛けられて、
返事をすると相手が戸惑う、というのがパターンだ。
去年、一時停止違反で止められた。
待ち構えていた警察官が、運転席の窓へやって来て、
「おとうさん、標識見えましたよね?」と言う。
返事をすると、一瞬かすかに恐縮した表情になった。
別にそのせいでもあるまいが、この後、この警察官の応対は
たいへん丁寧であった。
他にも、何かの犯人を探しているらしい警察官が声をかけてきて、
はい?と返事しただけで
「あっ、失礼しました。」と終わったこともある。
男性を追っていたのに女性に職務質問してしまった、というところだろう。
でもさ、証言が「男性」だったとしても、
私みたいなイキモノかもしれないから、「男性に見える人」は
疑ってかかっていいんじゃないの?と思った。
一方、髪が長いと、すっと女性に見られる。
先日も、寄席で一番前の席に座っていたら、
手品師から「奥さん」と呼ばれた。
隣席の男性と夫婦と見られたか。
いつもの髪の長さだと、一番前の席で食い付くように見ていても、
めったに声をかけてもらえない。
手品なんか、カードを引く役などやりたいのに。
声をかけられない理由は、なんと声をかけていいのかわかりにくいイキモノだから
ではないかと思っている。
「奥さん」なのか「おにいさん」なのか。
「旦那」と声をかけて女性だったらたいへんだ。
「おねえさん」と声をかけて男性だったらたいへんだ。
芸人が、そんなあぶなっかしいことをするわけがない。
私自身は、いろんな呼ばれ方をすることに慣れているので、
なんと呼ばれようと目さえ合っていれば自分のことを指していると思うことにしている。
どうせ、「おねえさん」と呼ばれても「おにいさん」と呼ばれても、
同じくらいの違和感があるのだから、どうでもいい。
まあ、一番しっくりくるのは、「おっさん」かな・・・。
昨日のこと。
とあるスーパーマーケットの、出入り口わきにある椅子に腰掛けて
本を読んで時間を潰していた。
5つある椅子には入れ替わり立ち替わり、年配の人が立ち寄り、
しばし腰掛けて休んで行ったり、荷物を作り直したりしている。
と、私の隣に腰掛けた男性が、声をかけてきた。
「いい靴を履いているね、おじょうさん」
ニュー・バランスの2Eのスニーカーは、私の足に合うし、丈夫で良いですが。
ですが、おじょうさん?まあ、あなたから見ればおじょうさんでしょうけど。
私はできるだけ低く声を絞って、突っ慳貪に言い返した。
「失礼ね!! あたし、男よ!!!」
目を白黒させている爺さんを尻目に、くねくねと品をつくってその場を立ち去った。
ネタを録画するためだ。
本来は、短めが好きだ。
役作りのため、切らずに我慢している。
あたし、女優なのよ。
ふだん、髪が短いと、男性に見られることのほうが多い。
「おにいさん」とかなんとか声を掛けられて、
返事をすると相手が戸惑う、というのがパターンだ。
去年、一時停止違反で止められた。
待ち構えていた警察官が、運転席の窓へやって来て、
「おとうさん、標識見えましたよね?」と言う。
返事をすると、一瞬かすかに恐縮した表情になった。
別にそのせいでもあるまいが、この後、この警察官の応対は
たいへん丁寧であった。
他にも、何かの犯人を探しているらしい警察官が声をかけてきて、
はい?と返事しただけで
「あっ、失礼しました。」と終わったこともある。
男性を追っていたのに女性に職務質問してしまった、というところだろう。
でもさ、証言が「男性」だったとしても、
私みたいなイキモノかもしれないから、「男性に見える人」は
疑ってかかっていいんじゃないの?と思った。
一方、髪が長いと、すっと女性に見られる。
先日も、寄席で一番前の席に座っていたら、
手品師から「奥さん」と呼ばれた。
隣席の男性と夫婦と見られたか。
いつもの髪の長さだと、一番前の席で食い付くように見ていても、
めったに声をかけてもらえない。
手品なんか、カードを引く役などやりたいのに。
声をかけられない理由は、なんと声をかけていいのかわかりにくいイキモノだから
ではないかと思っている。
「奥さん」なのか「おにいさん」なのか。
「旦那」と声をかけて女性だったらたいへんだ。
「おねえさん」と声をかけて男性だったらたいへんだ。
芸人が、そんなあぶなっかしいことをするわけがない。
私自身は、いろんな呼ばれ方をすることに慣れているので、
なんと呼ばれようと目さえ合っていれば自分のことを指していると思うことにしている。
どうせ、「おねえさん」と呼ばれても「おにいさん」と呼ばれても、
同じくらいの違和感があるのだから、どうでもいい。
まあ、一番しっくりくるのは、「おっさん」かな・・・。
昨日のこと。
とあるスーパーマーケットの、出入り口わきにある椅子に腰掛けて
本を読んで時間を潰していた。
5つある椅子には入れ替わり立ち替わり、年配の人が立ち寄り、
しばし腰掛けて休んで行ったり、荷物を作り直したりしている。
と、私の隣に腰掛けた男性が、声をかけてきた。
「いい靴を履いているね、おじょうさん」
ニュー・バランスの2Eのスニーカーは、私の足に合うし、丈夫で良いですが。
ですが、おじょうさん?まあ、あなたから見ればおじょうさんでしょうけど。
私はできるだけ低く声を絞って、突っ慳貪に言い返した。
「失礼ね!! あたし、男よ!!!」
目を白黒させている爺さんを尻目に、くねくねと品をつくってその場を立ち去った。
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