左ですちゃんキャップ

コンビ野性爆弾の川島邦裕氏が
強面に反してくっきーだとかくーちゃんだとか名乗り始めた時には
驚いたものだ。

「おもしろい」と思うことがちょいと突飛である。
見慣れないと、「なんじゃこりゃ」とか「不気味」で終わってしまう。

テレビ番組「プレバト」に出演して、
スプレーアートや水彩画や消しゴムはんこ等々の
絵画ジャンルでその表現力の一部を見せてくれる。

指をモチーフによく使う。
指で文字を描いたり。
くっきりとした描線と一段階の陰影は、
消しゴムはんこにマッチする。

※

自身のデザインしたお帽子などを、
ぶてぃっく紫歯茎というサイトで販売している。
不気味なワンポイント刺繍の入ったキャップが並ぶ。
商品の写真はほぼ必ず自身がかぶって撮影している。

お帽子の商品名には、かわいく敬称「ちゃん」が付いていたり、いなかったり。
「指ヒヒちゃんキャップ」
「ゲロイオンちゃんキャップ」
「セイ！ババ様キャップ」
「鼻血鳥キャップ」
「金歯一本御帽」
「イチキャワさんキャップ」
「紫歯茎森林組合キャップ」

くだらなくて見飽きない。

商品がずらっと並んでいるページでは見られないが、
それぞれの商品のページに行くと、
サイドの刺繍も見られる。
ここを見ているだけで、ずっとクスクスクスクス笑える。
https://hotnatsuko.theshop.jp

※

欲しいなー。
でも、どれもこれも売り切れ。
いや、残っている商品も有るけれど。
「捨ておさげキャップ」
ひええ。もっとかっこいいのがいいよ。
「レッド指タイガーキャップ」とか。

※

黒いキャップに、白い縁取りの赤文字で「C」。
一見、広島東洋カープのキャップかと思う。
しかし、よく見ろ。

左です。

サイドの刺繍が説明的である。
片目を隠して「左です」と答えている。
視力検査ね。「C」じゃなくてランドルト環なのね。



商品名は、「左ですキャップちゃん」。
フリマサイトで買った。
出品者は転売ヤーだろうか。
だとしたらなんだか悔しいけれど、
欲しい気持ちが勝ってしまう。
私としては珍しいお買い物だ。

「かぶる機会が無いので出品します」なんて書いている人もいる。
キモくてかぶれないのかなんなのか。

私は「左ですちゃん」を容赦なく普段遣いしている。
せいぜい雨に濡らさないようにくらいは気を付けようか。

※

そんなわけで、
我が手をくっきーの指ふうに塗り、
くっきーご自身のように手首にテーピングを巻いた。
テーピングのベージュが浮き立つ。
「肌色」という言葉がいかにふさわしくないか再認識する。