大晦日、犬の散歩をしていて、近所の友達の家の前を通ると、
大掃除をしていた。
ホースで家の外壁に水を打っている。
晴れているからいいようなものの、本人びしょぬれだ。
「いやー、蜘蛛の巣がすごくってさ。届かないし。」
なるほど。
犬2匹はおやつににぼしをもらって大喜びだ。
だが、もらうものをもらったらもうアッサリよそを見ている。
早く散歩の続きに行きたいのだ。
「犬だからね。」
すみませんねえ、ごちそうさま。じゃ、また来年。あはは
「あはは。良いお年を」
近所だからしょっちゅう顔を合わせる。
お互い冗談で挨拶を交わしたら、
案の定、元旦にも遭った。
しかし今度は家の前ではない。
「いつもは元旦じゃないんだけどね。」
混んでるもんねえ。
私も近所をひとまわり散歩したが、観光客の来ないような道を選んだ。
選べば、本当に人はいない。
静かなものだ。
しかし深大寺の山門側には、お参りに向かう行列ができているようだ。
いつでも来られる所で並ぶかい、馬鹿々々しい。
とはいえ、たまのことだし、付き合うか。
友達にくっついて、神社へ向かった。
これまた茅の輪くぐりに行列ができている。
茅の輪くぐりってのは夏越しの大祓(なごしのおおはらえ)にやるもんじゃなかったの?
何やらをぶつぶつ唱えながらこっちへくぐってあっちへくぐって、
とそれぞれにやるもんだから、時間がかかる。
だもんで、行列ができる。
そもそも何か季節の行事なんてものは、一見宗教的な理由がありそうでいて
よく調べると歴史上どこかの時点でくっつけた習慣だったり、
それが延長されたものだったりする。
それが大概、商売上の理由だ。
お盆だって一日だったものが、3日に伸び、5日に伸びしていったのも、
長けりゃ長いだけ寺が儲かるからだ。
いやこれ、坊さんがお講義で言っていたんですよ。
私がいちゃもんつけてんじゃありません。
この茅の輪くぐりだって、そうじゃないの??
待っている間に何か売りつけようってんじゃないの?
ホラ来た、甘酒だ。
初詣ときたら甘酒だよね!
え、振る舞いですか。
こいつはありがてえ。
天気が良いとは言え、甘酒は嬉しいよ。
「すみません、こちらまででおしまいです。お参りありがとうございました。」
ええっ!?ちょっと!・・・がっかり
背後の列からも残念そうな声が漏れる。
と、友達がすかさず指をさす。
「おねえさん、あっちの鍋は?」
見ると、でっかい寸胴の横の小さいヤカンから、湯気が出ている。
「あれは・・・
あ、ありました、ありました、今お配りしますね。」
アツアツの紙コップを受け取る。
いや、ヤカンから湯気が出ていただけあって、熱い。
こりゃ猫舌の私にはすぐには飲めない。
列が進み、茅の輪をくぐってもまだ飲み終わっていなかった。
甘酒をふーふーやりながら、その場にしばらくいた。
バイトらしき巫女さんは、並ぶ参拝者に紙コップを渡しては、
甘酒を注いでいる。
「さっき私たちの後ろにさっき並んでいたのが、20人くらいだったでしょ?
それからまた並んでいるから、もう30人以上には注いでると思うんだけど。
? 甘酒、無くならないね?」
ほんとだ。
ケチケチ注いでんじゃないの?
「いや、そんなことないよ。ちゃんと、一杯ずつ。」
ほんとだ。
しかも、やっぱりまだアツアツらしく、みなさんふーふーしている。
「???あのヤカンじゃあんなに入らないよな???」
バイト巫女さんも元気が出てきた。
「甘酒お配りしていまーす!」
甘酒に乗せられてか、元気な声に寄せられてか、参詣客は増えた。
ここの神社がこんなに賑わったことも今までに無いねえ。
「そうだよね、いつも誰もいないし、神主さんも留守だったりするのに。」
今年はこれで景気よく過ごせるんじゃないかね。
大掃除をしていた。
ホースで家の外壁に水を打っている。
晴れているからいいようなものの、本人びしょぬれだ。
「いやー、蜘蛛の巣がすごくってさ。届かないし。」
なるほど。
犬2匹はおやつににぼしをもらって大喜びだ。
だが、もらうものをもらったらもうアッサリよそを見ている。
早く散歩の続きに行きたいのだ。
「犬だからね。」
すみませんねえ、ごちそうさま。じゃ、また来年。あはは
「あはは。良いお年を」
近所だからしょっちゅう顔を合わせる。
お互い冗談で挨拶を交わしたら、
案の定、元旦にも遭った。
しかし今度は家の前ではない。
「いつもは元旦じゃないんだけどね。」
混んでるもんねえ。
私も近所をひとまわり散歩したが、観光客の来ないような道を選んだ。
選べば、本当に人はいない。
静かなものだ。
しかし深大寺の山門側には、お参りに向かう行列ができているようだ。
いつでも来られる所で並ぶかい、馬鹿々々しい。
とはいえ、たまのことだし、付き合うか。
友達にくっついて、神社へ向かった。
これまた茅の輪くぐりに行列ができている。
茅の輪くぐりってのは夏越しの大祓(なごしのおおはらえ)にやるもんじゃなかったの?
何やらをぶつぶつ唱えながらこっちへくぐってあっちへくぐって、
とそれぞれにやるもんだから、時間がかかる。
だもんで、行列ができる。
そもそも何か季節の行事なんてものは、一見宗教的な理由がありそうでいて
よく調べると歴史上どこかの時点でくっつけた習慣だったり、
それが延長されたものだったりする。
それが大概、商売上の理由だ。
お盆だって一日だったものが、3日に伸び、5日に伸びしていったのも、
長けりゃ長いだけ寺が儲かるからだ。
いやこれ、坊さんがお講義で言っていたんですよ。
私がいちゃもんつけてんじゃありません。
この茅の輪くぐりだって、そうじゃないの??
待っている間に何か売りつけようってんじゃないの?
ホラ来た、甘酒だ。
初詣ときたら甘酒だよね!
え、振る舞いですか。
こいつはありがてえ。
天気が良いとは言え、甘酒は嬉しいよ。
「すみません、こちらまででおしまいです。お参りありがとうございました。」
ええっ!?ちょっと!・・・がっかり
背後の列からも残念そうな声が漏れる。
と、友達がすかさず指をさす。
「おねえさん、あっちの鍋は?」
見ると、でっかい寸胴の横の小さいヤカンから、湯気が出ている。
「あれは・・・
あ、ありました、ありました、今お配りしますね。」
アツアツの紙コップを受け取る。
いや、ヤカンから湯気が出ていただけあって、熱い。
こりゃ猫舌の私にはすぐには飲めない。
列が進み、茅の輪をくぐってもまだ飲み終わっていなかった。
甘酒をふーふーやりながら、その場にしばらくいた。
バイトらしき巫女さんは、並ぶ参拝者に紙コップを渡しては、
甘酒を注いでいる。
「さっき私たちの後ろにさっき並んでいたのが、20人くらいだったでしょ?
それからまた並んでいるから、もう30人以上には注いでると思うんだけど。
? 甘酒、無くならないね?」
ほんとだ。
ケチケチ注いでんじゃないの?
「いや、そんなことないよ。ちゃんと、一杯ずつ。」
ほんとだ。
しかも、やっぱりまだアツアツらしく、みなさんふーふーしている。
「???あのヤカンじゃあんなに入らないよな???」
バイト巫女さんも元気が出てきた。
「甘酒お配りしていまーす!」
甘酒に乗せられてか、元気な声に寄せられてか、参詣客は増えた。
ここの神社がこんなに賑わったことも今までに無いねえ。
「そうだよね、いつも誰もいないし、神主さんも留守だったりするのに。」
今年はこれで景気よく過ごせるんじゃないかね。
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