犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

ゲゲゲの調布発信
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庭師事

2022年02月27日 | うつろい
弱っていたヤシオツツジが昨年ついに枯死してしまった。
澄んだ色が嫌いじゃなかった。

隣家との間のブロック塀は、ほんの数十cmという低さだ。
亡父が何かのこだわりで、そんな低さにした。
おかげで南隣の家の裏と我が家の庭とは
子供でも容易に行き来できた。
子供の頃は行き来した。
大人は行き来しない。
でも、見える。
丸見えである。

丸見えが当たり前だと思って育ってきた。
隣人がこちらの庭にいる鳥や猫や花を見ていても、
何も気にならない。

隣人がこちらの家の中の様子を見ていたとしても、
あまり気にならない。

けれど、庭の木々を眺めた時に、
隣家の洗濯物の色やゴム手袋やバケツや何かの道具の色が見えるのは
あんまり良い眺めではない。
今さら塀を高くする気はさらさら無い。
風通しの良いほうが、お互い気分が良いと思う。
そうか、風通しの良い、隙間の有る板塀や竹垣を作るという方法も有るが、
そうする気も無い。

45年一緒に暮らしてきた隣人を、私は気にしていない。
隣人に恵まれている。そう断言できる。



ほんでも気になる、プラスチック製品の色を隠したい。
ヤシオツツジが枯れてしまった所は、ちょうど色々な物の手前なのだ。

常緑で、高くならない木が良い。
そうだ、
ちょうど育ち過ぎて困っていた南天が有る。
あいつを引っこ抜いてここへ移そう。

2メートルを超えて育った南天を1メートルくらいの丈に切ってあった。
そいつの根周りにスコップじゃない、シャベルを差す。

横に張った根を、容赦なく切る。
シャベルを何度か突き立てると、2㎝近い径の根も切れた。
一周の根を切る。

周囲から掘り、真下に穴を掘る。
4メートルくらいの何やらの鉄パイプを、根の下に突き込む。
そこいらに有った丸木を枕に差し込み、支点とする。
てこの原理でグイグイやる。
3方向くらいからこの作業をして、南天を引っこ抜くことができた。

移植先にあらかじめ掘っておいた穴に安置して、
土を掛けて踏み固める。

完了。
水やり?
そのうち雨が降る。



自らの足で移動するという能力を持たぬ樹木を
私の都合で適当な位置に植え替えるという
この、強大な威力を行使する、私という人間。

思い知ったか!
鳥の糞から生えた南天めが!



緑と赤の混じった茎と葉、
皮の下には茎も根も、鮮やかな黄色を秘めている。
美しい南天。

隣家の裏にも生えている。
どうせその隣家の南天の実を食べた鳥がウチの庭で糞を垂れたのだろう。
よしよし。
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