[あらまし] テレビドラマがインターネットで見逃し配信なるものをするようになって、
私もちょこちょこと観ている次第。
2008年に水川あさみさんが主演した『夢をかなえるゾウ』も
リバイバル配信していて全編を観ることができた。
古田新太は、世界一ゾウの鼻の似合う俳優だ。
と、思った。
ジョージ・クリントンはアルバム『トロンビピュレイション』のジャケットで
象の鼻を付けていたけれど、それは、
「そういうことしたかったのね」という感じがする。
仙台貨物の千葉さんなんか、話にならない。
そこへ行くと、古田新太は、もともと象だった気がする。
鼻を取って人間として暮らしている。
本当にそう見えてくる。
顔貌のおかげだと思っていたけれど、いや、
名優なんだ。
※
ドラマの予告を観て、一番楽しみだったのが、
『俺のスカート、どこ行った?」だ。
ゲイで女装家の原田のぶおが2年3組の担任として赴任して来る。
これを、古田新太が演じる。
始業式に遅刻して来たのぶおが壇上で話し始めると、
生徒たちから野次が飛び、嘲笑が湧く。
「オネエ言葉きもーい」「ブース」
教員たちは「静かにしなさーい」と言うものの、静まらないところ、
のぶおは一喝する。
「聞きなさいよ、クソブスどもが!」
水を打ったように静まりかえったところで、のぶおは続ける。
「あんたたち、あたし見て笑うのは勝手だけどさ、
そうやって他人をバカにして笑ってるあんたたちのほうが、よっぽどブスだからね。
(略)
ま、そういう、授業では教えられない、っていうか考えたこともない、
でも人として知っておかなければならないことを教えに来たから。」
ゲイバーのママが教師をやりたいと言ったら、
この学校の校長が拾ってくれたのだ。校長は言う。
「周りから浮かないようにするためにどうすればいいか、それだけを考え、
そして、なじめ、なじめ、と教える。
私はそんな教育に嫌気がさしたんです。」
最初のホームルームで。
「のぶおはー、なんでそんなキモイかっこうなんですかー?」
「ゲイだからですかー?」
のぶおは答える。
「ゲイだからっていうのと、女装するしないってのは関係無いんだけど。
知らないんだ。」
「は?知らねえよ。おっさんが女のかっこうしてたらキモイってのが常識だろ?」
「は?じゃあ知らねえのに、おまえ程度のチンケな常識でキモイとか決めるのやめてくんない!」
あー、スカッとする。
「いつかその決めつけがおまえを大人になってから苦しめる。
区別もついてないおまえに説明してやるから、耳の穴かっぽじってよーく見とけ。」
のぶおは教壇に戻り、【LGBT】と板書する。
「Lはレズビアン。女性の同性愛者のこと。
これは、ゲイのG。男性の同性愛者のこと。
Bはバイセクシュアル。男性も女性も好きになれる人。
Tは?」
副担任が答える。
「トランスジェンダー。
えー、心と体の性別が違う人のことですよね。」
「心の性別って何よ。
あえて言えば、社会が割り当てた性別とは別の性別で生きる人。
私はG,ゲイ。
そして、女装もしている。
ゲイは性の向き。
女装は表現のかたち。」
なんて丁寧な説明だ。
あんまり書いてもネタバレでよろしくない。
とにかく名優がしゃべってんだ、
目ん玉かっぴらいてよーく聞け。
https://tver.jp/corner/f0034230
※
LGBT理論も完全ではない。
この4文字で表されていないセクシュアルマイノリティについてはどう捉えるのか、
といった議論が続いている。
新しい理論を作っていくためには、
現時点の理論や、過去の理論を学び、問題点を挙げ、
広い視野をもって取り組む必要が有る。
それは当事者だけの仕事ではない。
当事者は、当事者だけのコミュニティの中だけで生活しているわけではない。
この世で生きているのだから、この世の人みんなの課題なのだ。
※
それにしても、のぶお先生の説明ぶりがきちんとしているので、
誰かが監修に付いているに違いない、と思って調べてみたら、
ブルボンヌさんだった。
ブルボンヌ誰それだと?
知らないおまえに教えてやるから、
4月28日29日は東京レインボープライド、代々木公園イベント広場に来い!
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