集中力ありません

[あらすじ] やる気出ない・眠れない・旨くない・現実感ない。
並ぶ鬱症状。


気力が無い。
持久力が無い。
根気が無い。

数十分のテレビ番組も、最後まで見られない。
テレビが消せない、というのと矛盾するようだが、
内容をきちんと見ようと思ったら、それはできない。

本を読む根気も集中力も無い。
私は子どもの頃からたくさん本を読み、今も本の虫だ。
そんな私が、１ページも読めなかった。
読めてせいぜい短編の娯楽小説だ。
漫画もムズカシいものは読めなかった。

映画なんてもってのほかだ。
90分、２時間という長時間、画面に向かっていられない。
ビデオを中断しながら家で見るなら、なんとか。
テレビでの放送はＣＭで休めるのがいいが、
またすぐ始まるので大概途中でやめてしまう。


動く気持ちになれないので、体力や筋力も落ちてゆく。
幸い、軽い肉体労働でほぼ毎日よく歩いていたので、
基礎的な体力筋力はなんとか保てただろうか。
しかし、家にいられる時間は、とにかく寝ていた。


以前は親しい楽器屋の陽気なオジサンに会いに行って
ツキモノを落とすことができたが、
今度はそのオジサンが鬱状態だった。

これが、かえって良かったのだと思う。
私は、自力で脱するしか無かった。
自力で脱するということは、自分が変わるということだ。
その変化は残る。
つまり、再発しにくくなるのだ。