青森から1時間ほどで終着駅の蟹田に到着した。
「この電車で青森まで戻るのだよ・・」と念を押し、列車を降りようとすると、
80歳も半ばだと言うおばあちゃんは、手提袋の中を何やらゴソゴソとまさ
ぐっていたかと思うと、やおら白いトレイに乗ったお菓子のようなものを取
り出し、差し出してきた。
どうやら、お礼のつもりらしい。
「気持ちだけで・・」と押し返し、三厩まで行くと言う二人のご婦人と連れだっ
てホームに降りると、小さな体をひねりながら、何時までも手を振って見送
ってくれた。
降り立った蟹田のホームに、「蟹田ってのは 風の町だね」と刻まれた碑が
建っている。津軽出身の作家・太宰治がこの地を旅し、「前日の西風が親友
N君の家の戸障子をゆすぶっていた」情景を小説「津軽」に書き残した言葉だ。
その碑の裏を見ると「北緯41° ニューヨーク・ローマ と結ぶ町 かにた」と
書かれている。
ここは「津軽海峡線」特急の停車駅でもある。
が、そんな華々しい印象はどこからも感じられない。駅ににぎわいは無く、
長いホーム以外は、むしろ寂ししいローカル駅風の趣だ。
駅に、観光案内所が有るわけでも無いが、「観光カニスマ駅長 津軽蟹
夫」と書かれたパネルだけが置かれているのがなんだか余計に寂しく感
じられる。 これは4月から5月にかけて水揚げされる特産のトゲクリカニに
因むものらしい。
この時期の奥津軽は寒い日も多いようだ。
この日、日差しは灰色の雲に遮られ、冷たい風がホームを吹き抜けていて、
半袖の身には肌寒いほどだった。(続)
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「この電車で青森まで戻るのだよ・・」と念を押し、列車を降りようとすると、
80歳も半ばだと言うおばあちゃんは、手提袋の中を何やらゴソゴソとまさ
ぐっていたかと思うと、やおら白いトレイに乗ったお菓子のようなものを取
り出し、差し出してきた。
どうやら、お礼のつもりらしい。
「気持ちだけで・・」と押し返し、三厩まで行くと言う二人のご婦人と連れだっ
てホームに降りると、小さな体をひねりながら、何時までも手を振って見送
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降り立った蟹田のホームに、「蟹田ってのは 風の町だね」と刻まれた碑が
建っている。津軽出身の作家・太宰治がこの地を旅し、「前日の西風が親友
N君の家の戸障子をゆすぶっていた」情景を小説「津軽」に書き残した言葉だ。
その碑の裏を見ると「北緯41° ニューヨーク・ローマ と結ぶ町 かにた」と
書かれている。
ここは「津軽海峡線」特急の停車駅でもある。
が、そんな華々しい印象はどこからも感じられない。駅ににぎわいは無く、
長いホーム以外は、むしろ寂ししいローカル駅風の趣だ。
駅に、観光案内所が有るわけでも無いが、「観光カニスマ駅長 津軽蟹
夫」と書かれたパネルだけが置かれているのがなんだか余計に寂しく感
じられる。 これは4月から5月にかけて水揚げされる特産のトゲクリカニに
因むものらしい。
この時期の奥津軽は寒い日も多いようだ。
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