簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

遍路宿・長珍屋(四国遍路)

2012-07-09 | Weblog
 この日、お寺の前に建つ“長珍屋”と言う一風変わった名の宿に泊まった。



 昔からの遍路宿らしく、玄関ホールには“御宿 長珍屋”と書かれた、名も消え
かかった古い看板が飾られている。



 増改築して間の無い綺麗なところで、遍路の間では良く知られた宿だ。
新館は遍路宿としては少々高くはなるが、全室バストイレ付の部屋で、個室もあり
ビジネスホテルを彷彿させる。



 ずいぶんと収容できるらしく、館内には大浴場があり、コインランドリーも完備し、遍路
用品も揃う売店も充実している。



 仏壇を備えた大きな食堂には、今日は団体が入っているらしく、沢山の食事が用意
されて遍路を待っていた。



 夕食時、逆打ちで歩いていると言う、同年輩の二人連れの姉妹と同席になった。
一人歩きの男性遍路二人を加え、ひとしきり遍路談義に花が咲き、いつしか話題は、
“三坂峠の下り道”に及んだ。



 「山道の下りだけで1時間、それから寺までも1時間余り下り続ける道だから、逆打ち
となるとその上りは半端じゃない」と主張する男性陣に対しこの姉妹、「山道の下りが
1時間なら、上っても2時間見ておけば大丈夫」と少しも怯む気配もなく、自信満々に
言い切ってくる。「雲辺寺道を歩いて自信がついたから・・」というのがその理由らしい。



 お互いに今までに泊まった宿の良し悪しを交換仕合い別れ際、巡打ちの男性陣から
「あの姉妹、峠に着いてどんな顔で、何と言うか聞いてみたいね・・」と思わず本音も
漏れて散会となる。(続)


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