三欠状態
2023-10-09 | 弓道
3つの欠の話である。
学生時代のように、早朝稽古して、夕方稽古して、50本60本など平気で引いていたように思うが、今は身体を大切にする年齢。
そうなると、ほどほどの稽古では、じわじわと筋力が衰えそうだしと考える。
75歳を過ぎた先輩が「筋力不足で、筋欠や」と、言われる。
そこで思った。「酸欠、筋欠、緊欠」で、三欠。
酸素の欠乏は、会の長さを伸ばそうと、いわゆる「引かぬ矢束」を、求めると、「あぁ~息苦しい」となる。
息を止めている訳ではないが、水に潜っているように、息を出し切ってしまうと苦しい。
ちょっと吸うこともできるのだが、変に息継ぎしたら、ビクがきたりする。
とはいえ、酸欠になるほど持ってはいない。
せいぜいで、3~4秒では早いが息は楽なのである。
もっと潜れ、獲物は深いところにあるぞ!!そのための会なのである。
筋欠は、たんぱく質を摂って、稽古に励むしかないが、高齢になると休むとすぐ筋力がなくなる。
かといって、稽古し過ぎると、肩の根などがずきっときて、やばいぞ状態になる。
わたしは、指にも力が入っていることがわかる。
朝起きると、押手の薬指がばね指のようになっていることがある。
本数をかけなくても、下手な弓を引いた翌日は、どこかが痛かったりする。
緊欠は先日起きた。
緊張で、一つ的の稽古を何回もして、何とか大過なく終えた。
その2日後、協会の弓道教室の開講式があって、会長不在のため、代わりに挨拶と矢渡をすることになった。
内輪の教室であることで、なんとなくリラックスしてしまい、身体が自然に動くだろうし、ひとりなので自分の息合いだけ考えればいいと、すらすらやっていた。
甲矢は11時のところへ抜けて、あろうことか安土に刺さり切らず、羽がほろりと地面に垂れ下がった。そこだけ土が固まっていたようだ。
かっこ悪いなと思いつつ下がるとき、アッと思った時には遅すぎた。
7歩下がって気づいた。下がり過ぎだ。
一つ的の稽古で身についてしまったのだ。
切り替えが出来ず下がりすぎて、結局、少し大股で射位に復帰してごまかした。
これは、緊張の欠乏だ。緊張は本気になる印。
これが欠けては、見てくれている方々に申し訳ない。
的中が確実でないならなおさら、体配を仕上げなくては。
そこから緊張し始めた。なんとか乙矢が的中したが。
矢渡の際には、的の周りの土は柔らかくしておかねば。
実は、その日の安土は私が水をかけて、的もかけたのである。
この後も、三欠は襲ってくるであろう。
それにめげずに今日も行く。
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