水産北海道ブログ

北の漁業と漁協がわかる情報満載です

新刊紹介 『どうするALPS処理水?科学と社会の両面からの提言』 石井孝、濱田武士、小松理虔ほか(あけび書房)

2024-02-11 22:17:13 | お知らせ

 福島第一原発事故に伴うALPS処理水の海洋放出は、中国の日本産水産物全面禁輸といった反応を呼び、大きな社会問題となったが、廃炉までの30年余りどうすればいいのか、方向性がなかなか見えない。
 この2月に発行される本書は、各分野の研究者や専門家が知恵を出し合い、放射性物質の基礎知識から現在に至った経緯、漁業者、県民の反応、廃炉への道筋、政治の責任への分析を踏まえ、処理水問題の解決に向けた科学・社会両面からの提案を行う。
 漁業に関しては、北海学園大の濱田武士(はまだたけし)教授が「なぜ漁業者は処理水の海洋放出を認めないのか」を書き、地域活動家の小松理虔(こまつりけん)氏が「処理水に振り回されるいわきの漁業」を報告している。
 マスメディアの問題、漁業者と消費者の相互理解、廃炉全体の枠組みの見直し、陸上保管を迫るなど、8人の識者が提案する内容は従来の科学一辺倒、経済偏重のアプローチを超えた議論を呼び覚まし、社会的な合意に至る手引きとなることを期待したい。
 2月9日発売、A5判・172ページ、定価1,980円。


水政審資源管理分科会 スケソウ4系群TAC、サケ・マスふ化放流計画を答申 イカの当初配分2万9,200㌧に抑制、不満の意見も

2024-02-11 21:54:39 | ニュース

 水産政策審議会第129回資源管理分科会は、8日午後2時から農林水産省(ウェブ併用)で開かれ、令和6管理年度のスケソウTACの当初配分、水産研究・教育機構が行うサケ・マス人工ふ化放流計画などを原案通り承認し答申した。
 スケソウTACは、太平洋、日本海北部、オホーツク海南部、根室海峡の4系群について水産研究・教育機構から資源評価の説明を受け、水産庁が設定・配分案を示した。太平洋は17万6千㌧(前年17万㌧)と設定し、新たに国の留保5千㌧を配分する。日本海北部系群は加入量の良さを反映し、2万2️,900㌧(前年1万5,300㌧)を配分し、令和5管理年度の実績が確定後、未利用分を追加配分する。オホーツク海南部と根室海峡はロシアとのまたがり資源として前年を同量の5万8千㌧、1万5千㌧と設定。
 これに対し、伊藤保夫委員(道機船連理事)は「日本海北部系群は獲り控えで資源が増えたが、当面の目標だった限界管理基準値は超えることが確実で、新たに目標管理基準値をめざすが、親魚量38万㌧という数字は見直してもらいたい」と要請した。
 スルメイカも同様に水産研究・教育機構から資源評価の説明を受け、水産庁が設定・配分案を示した。3年固定TACの最終管理年度として前年同量の7万9,200㌧を設定するが、当初配分は2万9,200㌧に抑え、5万200㌧を国が留保し、条件につけて追加配分する。ただし、定置網(北海道)には2,400㌧を配分するが、漁獲が急激に積み上がった場合には「75%ルール」に基づき、水政審には事後報告で追加配分する。
 これに対しては、加工業界から「TACの消化率を高めないと加工業者は原料不足で廃業に追い込まれる」、沖底、中型イカなどの業界関係者から「当初配分が窮屈すぎる」「他の業種に比べ不公平感がある」「追加配分の上限から3年間の漁獲平均を外してほしい」といった意見が上がった。一方、小型イカ業界からは「周辺国にも同じ規制を求め、留保には違和感もあるが、全体として受け入れる。被災した石川県には来年のTACを優遇してほしい」との声が聞かれた。
 水産資源保護法に基づくサケ・マス人工ふ化放流計画は、水産研究・教育機構が個体群の維持のために実施するもので、前年同量の1億3,340万尾の放流が答申された。
 この他、太平洋クロマグロの令和5管理年度のTAC変更を原案通り答申し、融通結果なども報告された。

2024年(令和6年)2月9日(金)発行/北海道漁協系統通信第6773号

2024-02-11 21:38:01 | 系統通信
第15次北海道定置漁業権免許 
石狩後志・日高・釧路十勝・根室の4海区を公示

「JF共済」2024年1月末実績(4月から累計)
チョコー285億円・伸長率111%、くらし227億円・101%

道水産土木協会が令和5年度土木技術研修会
話題のブルーカーボンをテーマに識者・研究者が情報提供
海藻養殖の進展で水産土木企業の役割は増大

2024年第2回日本海沿岸ニシン漁獲状況速報(1.31)
石狩湾本所で230㌧・小樽市で120㌧ シーズン本格化

えりも以西海域マツカワ漁獲速報(R5.12)
12月の漁獲量30㌧超える 単価上昇で金額も進捗

道日本海沿岸漁業振興会議専門委員会で要望事項を検討
新しい資源管理、洋上風力発電などの課題で意見交わす

7日~13日、どさんこプラザ札幌店でいぶりフェア


ホタテメニューで「ゲレめし」頂上決戦!
札幌市内6スキー場で「ホタテゲレンデ飯」グランプリ