水産政策審議会第129回資源管理分科会は、8日午後2時から農林水産省(ウェブ併用)で開かれ、令和6管理年度のスケソウTACの当初配分、水産研究・教育機構が行うサケ・マス人工ふ化放流計画などを原案通り承認し答申した。
スケソウTACは、太平洋、日本海北部、オホーツク海南部、根室海峡の4系群について水産研究・教育機構から資源評価の説明を受け、水産庁が設定・配分案を示した。太平洋は17万6千㌧(前年17万㌧)と設定し、新たに国の留保5千㌧を配分する。日本海北部系群は加入量の良さを反映し、2万2️,900㌧(前年1万5,300㌧)を配分し、令和5管理年度の実績が確定後、未利用分を追加配分する。オホーツク海南部と根室海峡はロシアとのまたがり資源として前年を同量の5万8千㌧、1万5千㌧と設定。
これに対し、伊藤保夫委員(道機船連理事)は「日本海北部系群は獲り控えで資源が増えたが、当面の目標だった限界管理基準値は超えることが確実で、新たに目標管理基準値をめざすが、親魚量38万㌧という数字は見直してもらいたい」と要請した。
スルメイカも同様に水産研究・教育機構から資源評価の説明を受け、水産庁が設定・配分案を示した。3年固定TACの最終管理年度として前年同量の7万9,200㌧を設定するが、当初配分は2万9,200㌧に抑え、5万200㌧を国が留保し、条件につけて追加配分する。ただし、定置網(北海道)には2,400㌧を配分するが、漁獲が急激に積み上がった場合には「75%ルール」に基づき、水政審には事後報告で追加配分する。
これに対しては、加工業界から「TACの消化率を高めないと加工業者は原料不足で廃業に追い込まれる」、沖底、中型イカなどの業界関係者から「当初配分が窮屈すぎる」「他の業種に比べ不公平感がある」「追加配分の上限から3年間の漁獲平均を外してほしい」といった意見が上がった。一方、小型イカ業界からは「周辺国にも同じ規制を求め、留保には違和感もあるが、全体として受け入れる。被災した石川県には来年のTACを優遇してほしい」との声が聞かれた。
水産資源保護法に基づくサケ・マス人工ふ化放流計画は、水産研究・教育機構が個体群の維持のために実施するもので、前年同量の1億3,340万尾の放流が答申された。
この他、太平洋クロマグロの令和5管理年度のTAC変更を原案通り答申し、融通結果なども報告された。
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