「台本をデータで下さい」
と、出演者から言われました。
「台詞覚えに役立てるために使用するならOK」と、送信しました。
その次の稽古場でのこと……まだみんなが台本を持って立ち稽古をしている段階で、
データを下さいと言った彼が片手に持っていたものは、
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ナウなヤングにバカウケの……スマホでした。
どうやらスマホに脚本のデータを入れてセリフを覚えているとのこと、
確かにこれなら仕事の休憩中や、電車の中でメールをする振りをしながら台詞を覚えることができます。
(※スマホには、ワードやエクセルを開くことができるアプリがあります)
権利にウルサイ脚本家は流出を恐れて嫌がるかもしれませんが、
自分の出演する場面だけを抜き出して見られるようにすればいいし…なかなかグッドなアイディアです。
(ただ、演出家からのダメ出しを書き込むのは紙の台本に筆記でメモをしています)
照明がLEDライトやムービングになったり、調光卓や音響卓にディスプレイが設置されたり、
稽古場を録音、録画する機材が小さくなっていったりと、アナログな演劇の世界にも様々な技術革新があります。
(私が子供の頃は、演劇の音響はオープンリールと呼ばれる八ミリの映写機を横に倒したような機材を使用し、
テープを切り貼りして編集をしていました)
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近い将来、どうしてもセリフを覚えられない役者が、
スマホやタブレット端末を片手に、演技する日も近いかもしれません。
いやいや…技術は進歩しても、人間が退化してはいけませんね…反省。
年齢を重ね、台詞覚えがだんだん悪くなっている役者も何人かいるのですが
ロボットに負けないように、頑張っています!
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(あいちトリエンナーレで上演されたロボット演劇の画像より)
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北とぴあ演劇祭2012参加 公演
とうきょう花菜 第13回公演
「その風は黄金色」
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10/5(金)19:00開演 北とぴあ・つつじホール
一般1000円 高校生以下500円
出演・堀勝子、石本工、大森順子、増川京子、宇都宮充子、橋本弥寿子、佐藤雅規、裕紀乃、三浦大、内田美香、橋本哲男、橋本保憲
作・花菜丸、演出・橋本哲男、音響・岡麻紀子、照明・菅温子、ひかりごけ、制作・とうきょう花菜 宇都宮充子
お問い合わせ/北区文化振興財団03(5390)1222 とうきょう花菜・橋本080(5095)7457