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世の中にはだまし絵というものがある。
(Wikipediaより)
一見すると若い女性の横顔に見えるが、横顔の部分を鉤鼻とする別の顔にもなってしまう。
人間はこのふたつの顔を同時に認識することは困難らしい。
人の認識機能のこの特性は絵画の鑑賞ならば良いのですが、現実の今の社会状況を正しく認識しようとするときには、認識を歪める障害になることもあるのです。
伊丹万作氏の『戦争責任者の問題』という著作があります。
その一部を下記に引用します。(全文は青空文庫で読めます)
「だまされていた」という一語の持つ便利な効果におぼれて、一切の責任から解放された気でいる多くの人々の安易きわまる態度を見るとき、私は日本国民の将来に対して暗澹たる不安を感ぜざるを得ない。
「だまされていた」といつて平気でいられる国民なら、おそらく今後も何度でもだまされるだろう。いや、現在でもすでに別のうそによつてだまされ始めているにちがいないのである。
「だまされていた」といつて平気でいられる国民なら、おそらく今後も何度でもだまされるだろう。いや、現在でもすでに別のうそによつてだまされ始めているにちがいないのである。
ー引用はここまでー
戦後(WWⅡ)間もなく書かれた文章ですが、今の社会のことを言っているのではないかと思ってしまうほどの鋭い指摘です。
私達は今まさに、主流のメディアによって全力で騙されているのだと思っています。
リビア、シリア、ウクライナなど、多少の関心をもって見ていたので、主流メディアの描く状況が『地上の真実』からほど遠いことは、いやというほど知らされています。
今メディアにあふれているウクライナの情報もまた、その多くが『地上の真実』からほど遠いと思う。
2014年のマイダンの争乱、スナイパーによる無差別銃撃、オデッサでの虐殺、選挙で選ばれた大統領を力ずくで引きずりおろし、そして、東部のドンバスでのロシア語を話す住民への攻撃と殺戮。その時住民はロシアに逃れたが、その数は100万ともいわれている。
2014年からの経緯を知らずにあふれるニュースを見れば、簡単に騙されてしまうのもむべなるかなとも思う。
しかし、ニュースに反応して感情のまま他国の指導者を貶めたり、ましてや、その死を望むこと等を公にすることは自分もだます側に加担することになるのではないでしょうか。
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