転生の宴

アヴァロンの鍵対戦会「一番槍選手権」を主催するNishiのブログ。最近はDIVAとDBACのプレイが多めです。

特別コラム:一番槍選手権の出来るまで

2012-11-27 16:18:54 | コラム
千葉県は津田沼にあるゲーセン「アミューズメントエース津田沼(通称津田沼エース)」では、毎週第3日曜日に「アヴァロンの鍵」の対戦会「エース杯」「Fight of Supremacy(通称FoS)」が開催されており、地元勢・遠征組を交え、多くのプレイヤーが対戦を楽しんでいます。更にそれ以外の週にもいくつかの個人企画の大会が開催されており、小規模ながらも濃密な対戦が繰り広げられています。ここではその個人大会の1つで、私Nishiが開催している「一番槍選手権」について、その誕生の経緯や舞台裏などを紹介していきたいと思います。

◎大会をやるには稼動店舗が必要だ

「アヴァロン」が現役で稼動していた2005年~2006年頃は、多くの店舗で「競技会モード」を使用した対戦会が開かれていました。東京およびその近郊でも例外ではなく、少なくとも月に2回、多い時にはほぼ毎週というペースで大会が行われ、プレイヤー達は「今日は吉祥寺、来週は津田沼」といった感じで開催店舗巡りを敢行していたものです。
時は流れ、アヴァロンが稼動している店舗は次第に減少し、大会が行われる機会も必然的に減少。そして東京近辺では津田沼エースが唯一の稼動店舗となり、大会開催も第3日曜日の1回のみが標準になりつつありました。
この状況下で「月に2度目の大会」を開催しようという試みは以前からありました。吉祥寺「アメリカヤ」での大会を仕切っていた「セト」氏はイベント形式の「城巡りイベント」を、厚木「ゼットン」の常連であった「ニクルス」氏は特殊レギュレーションを採用した「ニクルス杯」を、そして本八幡「ぷりもーる宝島」での大会に関与していた「とえ」氏はPC録画付きの大会「とえ会」を、それぞれ開催した実績があります。それらの大会も各人の時間的都合により開催されることも少なくなり、再び「大会は月に1度だけ」という状況に戻りつつあったのでした。
そんな状況下で「長らくアヴァロンに関わってきた身として、何か『恩返し』をしてみたい」と思った私は、新たな「月2回目の大会」を開催したいと思うようになったのでした。

◎他とは少しだけ違った大会をやってみよう

アヴァロンの大会はデッキ制限のない「通常の」大会と、デッキ構築で様々な制約が課せられた「特殊な」大会と、大きく分けて2種類のタイプがあります。前者の代表例としては関東・東海の有志による合同大会「Fight of Supremacy」が、後者の代表例としては関東の有志が中心となって開催している大会「エース杯」があります。「デッキ制限」のある大会が既に「エース杯」で占められていることもあり、それとの差別化を図る必要に迫られた私が注目したのは、「チェイサー中の行動の早さ」でした。そして「チェイサーターン中に戦闘1番で鍵戦闘を予約したプレイヤーに、100点のボーナス点を競技会ポイントに加える」という、「一番槍ルール」が編み出されたのでした。
かくして2010年11月7日、かつては吉祥寺の大会などでお馴染みだった「第1日曜日」に、記念すべき「第1回一番槍選手権」が開催されることになったのでした。その後もとえ氏の「とえ会」、年始やゴールデンウィークでの休止を挟みながらも、基本的に第1日曜日の開催を続け、現在に至っています。

◎作戦^h^h特殊ルールを決めろ

「一番槍選手権」ではタイトルの通り、上記の「一番槍ルール」による特別賞を毎回提供しています。それに加えて大会毎に違った面白さを盛り込むために、毎回異なった特殊ルールを導入しています。ここではその特殊ルールの考え方を紹介しましょう。

1. デッキ制限は出来るだけ緩く

デッキ構築に制限が課された大会は既に「エース杯」で行われているということもあり、「一番槍選手権」ではその方向は避ける方向で考えています。実際「デッキ制限」が課せられた大会は「勢力戦」を行った第2回と「26枚制限」を採用した第4回のみで、以降は《破壊の業火》の禁止を除き、特にデッキへの制限は指定されていません。

2. 減点制よりも加点制を

プレイ中の「行動」に注目した大会というのは別に「一番槍選手権」が初めてではありません。「特定のモンスターで戦闘を行わないとペナルティ」「祠に着いたときに特定のモンスター以外を配置するとペナルティ」といったルールが、過去の大会で行われていた記録があります。経験的に「失敗に対してペナルティが課せられる」ルールよりも「成功に対してボーナスが与えられる」ルールの方が参加者にとって楽しめている様なので、「一番槍選手権」では専ら後者のルールを採用しています。
例えば第13回では祠到達直後の配置数に応じて、ホルダーにボーナス点を加算するルールを導入しました。「配置を参照するカードを必ず入れる」「配置対策用のカードを使ってはならない」などの制限はないので、所謂「バランスデッキ」で出ても十分戦えますし、配置数を増やすカードを多数投入して一発逆転を狙うのも有効です。

3. 誰にでもチャンスがある様に

「一番槍選手権」も勿論大会ですから、よい成績を残したプレイヤーを表彰するのは当然です。その一方で結果を出せなかったプレイヤーにも楽しんでもらいたい、という考えもあります。各大会に設けられた特殊ルールによって与えられるボーナス点を最も稼いだプレイヤーに「特別賞」が与えられるのも、そんな考えから来ています。実際、大会スコアで最下位だったプレイヤーが特別賞を獲得、というのは「一番槍選手権」では非常に多いのです。
人数不足を補うための「代打ち」のスコアが集計されるのも、「一番槍選手権」の特徴の1つです。これも1戦目で振るわなかったプレイヤーに復活のチャンスを与え、最後まで大会を楽しんで欲しいという考えから来ています。


◎新たな楽しさを求めて

「一番槍選手権」は他の大会に比べて歴史が浅く、その分色々と実験的な試みを行いやすいという特徴があります。ここではそこで行われた試みの一部をいくつか紹介していきましょう。

○特殊なマッチングルール

「一番槍選手権」では「FoS」の様に、予選2ラウンドの結果に応じて勝者やプレーオフ進出者を決めます。「FoS」ではこのマッチングを2試合ともランダムで決めていますが、「一番槍選手権」では第1ラウンドの成績に応じて(例えば8人対戦ならば上位2名どうしと下位2名どうしで、という風に)第2ラウンドのマッチングが決まるようになっています。これによって「第1ラウンドと第2ラウンドのマッチングが全く同じだった」「第2ラウンドのマッチングが第1ラウンドから1人しか変わっていない」といった「事故」を、根本的に避けることが出来るようになっています。
第1ラウンドと第2ラウンドを一部並行して行う「変則マッチング」も、「一番槍選手権」の特徴の1つです。例えば参加者が10名だった場合、プレイヤーを4人、4人、2人の3つの組に分け、2人の組は4人の組の中から選ばれた1名ずつと対戦するようにします。これによって人数不足による「代打ち」の回数を最小限に抑えることが出来るようになります。

┏━━━━┳━━━━━┳━━━━━┳━━━━━┳━━━━━┓
┃第1試合┃A(1位)┃B(2位)┃C(3位)┃D(4位)┃
┣━━━━╋━━━━━╋━━━━━╋━━━━━╋━━━━━┫
┃第2試合┃E(1位)┃F(2位)┃G(3位)┃H(4位)┃
┣━━━━╋━━━━━╋━━━━━╋━━━━━╋━━━━━┫
┃第3試合┃I(上位)┃J(下位)┃A    ┃E    ┃
┣━━━━╋━━━━━╋━━━━━╋━━━━━╋━━━━━┫
┃第4試合┃I    ┃B    ┃F    ┃C    ┃
┣━━━━╋━━━━━╋━━━━━╋━━━━━╋━━━━━┫
┃第5試合┃J    ┃G    ┃D    ┃H    ┃
┗━━━━┻━━━━━┻━━━━━┻━━━━━┻━━━━━┛


○「代打ち」のスコアの有効化

「エース杯」「FoS」などとの一番の違いの1つが、「代打ち」の扱いです。「一番槍選手権」の成績は通常、予選第1ラウンドと第2ラウンドのスコアの合計点で決まりますが、「代打ち」に参加したプレイヤーについては、それに加えて代打ちで獲得したスコアの3つのうち、上位2つのスコアが成績として採用されます。
これは「デッキ交換ルール(各人が他のプレイヤーのデッキを使用する)」が採用された第9回一番槍選手権から導入されたもので、「代打ちも手を抜かずに真剣勝負をしてもらいたい」という考えから来ています。また「本戦で手を抜いて代打ちのチャンスを稼ごう」という「消極的な」プレイスタイルを封じるため、各試合で最下位のプレイヤー以外から代打ちを選ぶルールを採用しています。所謂「ブービー賞」と同じ考え方です。

○「一番槍ポイント」の採用

とえ氏主催の大会「とえ会」では、「Eloレーティング」に基づくレーティングシステムを導入しています。「一番槍選手権」でもそれに似たシステムを導入できないかと思っていたところに、とあるカードゲームで「プレインズウォーカー・ポイント」が導入されたという話を聞いたので、それをパクり…もとい参考にしつつ、アヴァロンの環境に合わせてアレンジしたものが、「一番槍選手権」オリジナルのレーティングシステム「一番槍ポイント」です。
「一番槍ポイント」は大会への積極的な参加を応援、表彰することを目的として導入されたもので、大会に参加したり、優秀な成績を挙げたりすることでポイントが溜まり、一定以上のポイントに達成するたびに様々な褒賞が贈呈されるというものです。

・大会に参加したプレイヤーにはまず参加賞として、参加者1人につき1点が加算されます。4人参加なら4点、12人参加なら12点を獲得します。
・各試合終了時、各プレイヤーは自分より下位のプレイヤー1人につき3点、同順位のプレイヤー1人につき1点、上位のプレイヤーまたはCPU1人につき0点を獲得します。例えば4人対戦の場合、1位のプレイヤーは9点、2位のプレイヤーは6点、3位のプレイヤーは3点、4位のプレイヤーは0点を獲得します。
・プレーオフが行われた場合、優勝者は獲得した一番槍ポイントが4倍に、それ以外のプレーオフ出場者は2倍になります。例えば8人対戦で第1ラウンド、第2ラウンドとともに1位で通過し、優勝した場合には、獲得するポイントは次のようになります。
――
  (8(参加人数)+9(第1ラウンド1位)+9(第2ラウンド1位)+9(プレーオフ1位))×4=140
――
尚、プレーオフが行われなかった場合には、優勝者の獲得したポイントが2倍になります。
・ポイントは常に加算されていきます。敗北によってポイントが減点されたり、褒賞のためにポイントを支払ったり、といったことはありません。
・「一番槍ポイント」が一定の値になるたびに、表彰状をはじめ、さまざまな特典が与えられます。また一定の期間(例えば第15回から第20回まで)の間に最も多くのポイントを獲得したプレイヤーには「シーズンチャンピオン」の称号が与えられます。

◎「常に進化する一番槍選手権」のために

この様に「一番槍選手権」はより魅力ある対戦環境を提供するために、ルールの策定や整備を常時行っています。もし興味を感じたならば、うまく時間を取り、参加してみるのもよいかも知れません。出来れば大会についてのコメントや感想などもいただければと思っています。
そんな訳で「一番槍選手権」を宜しくお願いいたします。
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