突然、寒天が食べたくなりました。
寒天はその語源である寒晒心太(かんざらしところてん)が示すように、心太(ところてん)を寒晒(かんざらし)したもので、古来から続く製法では12月から2月頃に製造され、気候的な面から信州の名産品ともなっています。
心太は、天草やオゴノリを煮て製造するゲル状の食品で、それを凍結乾燥したものが寒天です。ジュースと濃縮還元ジュースの関係みたいですね。
無性に寒天を食べたくなった私は、スーパーではなく、商店街の外れの専門店に出かけました。そもそも、スーパーでは固形寒天や粉寒天ばかりで、すぐ食べれる物はあまり目にかかることがありません。とはいえ、専門店も昔はたくさんあったのに、だいぶ数が減ってしまいました。訪れたお店も年老いた方が「お客さんが来なくてね。」と寂しそうでした。お店は、昔懐かしい業態で、こんにゃく・しらたき・あんみつ・みつまめを製造し乾物等も取り扱っています。
日本の街のどこの商店街にもあったこのようなお店はやがて姿を消していくでしょう。
まだ、かろうじて残っているうちに、まだ見たこともない帰国生の皆さんには、その存在にきづいてほしいなと強く感じました。
(Nas)