偽史倭人伝 ~ Carnea Historia

march madness の次が April Foolなんて小粋ぢゃないか。

●『天国は待ってくれる』ってビーティのリメークかと思ったぜ

2007年02月10日 06時10分43秒 | ◎海外スポーツ&ニュース見出しdeポン
 最近、『天国は待ってくれる』という映画のTVスポットがよく流れているけど、“天国は待ってくれる”ってフレーズどっかで聞いたことがあるような…と思ってたら画面の中になにやら英字が…。

 最近のテレビって「大画面テレビはもはや常識」といわんばかりの小さな文字が目立つ。「画面はハメコミ合成です」なんて類はもちろん判読不能だけど、懸賞応募の注意事項とかも読めなかったりすると格差社会を感じずにはいられない…ってハナシはそれたが、その英字はどうやらheaven can wait..って書いてあるようだ。

 heaven can waitってのはそのむかしウォーレン・ビーティが製作・監督・主演した映画のタイトルだ。邦題は「天国から来たチャンピオン」。
 主人公のプロフットボールプレイヤーが天使のミスによって50年も寿命を残したまま天に召されてしまったが、天使がミスに気づいたときはすでに彼の体は火葬されてしまった後で、彼は生前の悲願だったスーパーボウル出場を果たすべく人の肉体を転々とするというハートフル・コメディ。

 この作品に携わったスタッフ・キャストが過去に受賞したオスカーの数の合計は20になもなるんだとドリーム・チームぶりを宣伝していたが、さすがはというべきかこの作品自体も9部門にノミネートされ日本でも芸術祭参加作品だったりした。

 実はこの映画「Here Comes Mr. Jordan(邦題:幽霊紐育を歩く)」という1941年の作品のリメークで、オリジナル版では主人公はアメフト選手ではなくボクサーだった。
 ビーティ監督も当初はボクシングものでいくつもりで、なんと主演にモハメッド・アリを起用しようと考えていたがスケジュールが折り合わず自分で主演することに。そうはいってもボクシング経験なんてなかったたので得意だったフットボールを生かそうとこうなったという。

 でも邦題の「天国から来たチャンピオン」って日本人の感覚からしたらボクシングもののほうがしっくりくる気がする。まさか邦題つけた人も作品のいきさつを知って洒落をきかせたわけでもあるまいが。

 前に映画「メジャーリーグ」と現実世界でのインディアンズの快進撃などを紹介して、“スポーツ映画と現実との奇妙な符合”について語ったことがあったけど、この映画に出てきた架空のスーパーボウルの対戦カード「ラムズ対スティーラーズ」はなんと映画の2年後の1980年に現実のものとなった。
 これは常勝チームができにくいアメリカンスポーツのシステムのもとでは奇跡に近い一致だ。

 …まぁ、LAで撮影を済ませたかっただけ…というのが真相なんだろうが(笑)

 そう、ラムズが今のセントルイスではなくまだLAにいたころのハナシだ。

 この作品はさらに「Down to Earth(邦題:天国から来たチャンピオン2002)」というタイトルでリメークされたが、こちらの作品はすこぶる不評のようだ。

 さらにさらに、実はもうひとつ「heaven can wait」って作品が1943年にあって、こちらは邦題もズバリ『天国は待ってくれる』だったりする。

 で、そんなこんななんで、『天国は待ってくれる』はどれかしらのリメーク?オマージュ?、もしくはパクリかしらんなんて思ったりもしたけど、死人がやり残したことをやりに戻ってくるみたいな設定って常道というか1つのジャンルみたいなものだからね。かんけーねーかな。
 でもheaven can waitってタイトルにからませたってのはなんかしら意識してるよね。きっと。

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