雀の手箱

折々の記録と墨彩画

探し物

2011年12月18日 | できごと
 弓道に励む姪に使ってもらおうと、愛用した袴を探しました。
 何分にも半世紀も前のこと、使用しなくなって以来どこにしまいこんだか分からず、礼装用のカシミアの袴は果たして虫食いを免れているかどうか、年末の片付けを兼ねて心当たりをあちこちと探すこと1週間。
 開かずの間の茶櫃の底にそれは眠っていました。空になった防虫剤が果たしてくれた効果か、幸い虫食いは見当たりませんでした。再び役に立つとしたら物の冥利に尽きるというものです。

 副産物で出てきたのは、すでに記憶の底からも消えていた“トンビ”とかインバネスと呼ばれていた、カシミアの和服用男性コートです。あるじは大喜びで、今年の初詣に着用するつもりのようですが、園 子温監督なら何とか様になるとしても、想像するだけでもおぞましく、幼い子たちに警戒されそうです。
 そのほか、取り外して捨てずにいた古い羽裏など、懐かしさと古いものの持つ魅力にとらわれて、お陰様でしばらく楽しい郷愁の時間を過ごしました。



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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
愛用と愛着 (渚一号)
2011-12-21 20:35:16
私蔵品が長く死蔵されていたんですね。
高級品は経年劣化がしにくいと言われていますが本当ですね。
今朝、BSで”美の壷”という番組を何気なく
見ていたら男性用の替上着に使用される
”ツイード”がテーマ。岩手県ではこの織物を
イギリスより導入し産業育成・・・云々。
25年前に仕立てた上着を今尚愛用中のご隠居さんが奥様連れで仕立て屋さんにて寸法直し。
情景描写では 愛用よりは愛着の方が適切な言葉と感じました。
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捨てられない症候群 (ふくら雀)
2011-12-22 17:37:58
もののない時代を生きた世代は、捨てることに罪悪感が強いようです。身辺整理が話題になると口をそろえてみなさん捨てられない悲しさを訴えられます。
捨てるのにためらいが少ない若い人が羨ましいです。台所の改築の折、トラック2台捨てたのに、今の暮らしにほとんど不足がないのですから、捨ててしまえば心身共に軽くなるというものでしょうが。そのうちには、いつまでもそのうちの継続です。
我が家でも、40年前のお仕立てのスーツがまだ健在で、時々着用に及んでいるようです。
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インバネス ()
2011-12-23 21:07:21
 大正ロマンただようインバネス… 
どうぞお召しになってください。オシャレにこだわる個性的な紳士は、今も愛用されているのではありませんか。品も良いし文豪の匂いがして魅かれます。目の前に現れたら素敵で思わずふり向くでしょうね。
 
 捨てられない症候群です、重症でなかなか直りません。でも 来年こそは! 
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大正生まれ (ふくら雀)
2011-12-24 06:13:20
数え日に入ってあわただしく日が過ぎていきますね。お風邪に注意なさってください。

正真正銘の大正生まれで、私と違っておしゃれなのはあたりですが、およそロマンや、文学にはご縁がうすいほうです。
いまや、特殊の方が着用されるものと思っていました。逆らわずに傍観することにしますか。
三が日は必ず和服で、外出の用があるときも和服に袴着用ですから。
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