雀の手箱

折々の記録と墨彩画

追い山

2012年07月15日 | できごと
 昨日は、福岡県南部を襲った大雨で、柳川の沖端川や八女の矢部川の決壊、日田の花月川の仮復旧していた堤防が再決壊して、死者も出る被害が出ました。JRも高速自動車道も止まり、近くの遠賀川も危険水位が脅かされ、不安な思いで、たたきつける雨足を一日中眺めていました。



 今朝は一転しての晴天です。
 今月に入って、一カ月にわたる博多の総鎮守、櫛田神社の祇園祭の、その祭事の最後を飾るのが、今朝の追い山でした。東日本の復興を願う想いをこめてでしょう、今年の山飾りは伊達正宗公や南総里見八犬伝といった所縁のものがみられ、災厄を祓う行事としての起源を持つ祭りに、もうこれ以上の災厄がないことを願って眺めていました。
 今年は追い山が日曜日と重なったので、例年よりも多くの人出のようでした。
 博多の街の早暁を駆け抜ける勇壮な男衆の祭りには、出かけていく元気も既になくなって、今年は4時半から、テレビの前の特等席で見ていました。
 贔屓の東流れが櫛田入りの精道廻りで、30秒が出た時には一緒に歓声を上げました。奉納神事ではあっても、早いに越したことはなく、どうしても熱くなります。
 払暁の闇に近い空が次第に明けてゆく中で展開する追い山は、どんなに見やすく、素晴らしい視点からであっても、勢い水のしぶきに打たれながら見物する祭りとは異なります。
 想い出のために、テレビの映像を残しました。



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2 コメント

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山のぼせ (ふくら雀)
2012-07-19 21:14:27
博多では、家業もほうりだしてこのひと月、山傘にのめりこむ男衆を、「山のぼせ」と称します。
ひとえに陰で支えるごりょんさん(御寮さん)あってのことです。
知人たちも何かと会社を休んで行事に参加していました。鉢巻の色が「赤手の五位」に変わった年など正気の沙汰ではないのぼせようでした。

芸どころ博多では「どんたく」がどちらかというと女性が中心の祭りであるのに対して山笠はもう熱気あふれる男衆の祭りです。

、廻り止めに入った後は、出身の町内に帰り、すぐ人形は外され解体されます。
櫛田神社では、「鎮めの能」が奉納され、祭りが締めくくられます。兼好法師ならずとも、この祭りの後の哀愁が素晴らしいのですが、テレビでは放映されることはありませんね。
ここにも正真正銘の山のぼせがいます。
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早暁の熱きドラマ ()
2012-07-19 11:23:27
 ニュースを見てとっさに雀さんのお顔が浮かんだくらい、「もののあはれ」の物語に伺うようになってから楽しみにしています。BSTVに齧り付いて勇壮な追い山特集を観戦した年もあります。
 贔屓の東流れ…ふくら雀さんが歓声を上げるのもわかるような 男たちの熱気、命をかける姿も美しく、感動的。錦絵のようです、5トンの飾り山など、臨場感もいっぱいで地響きさえ届きました。
ありがとうございます。
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