雀の手箱

折々の記録と墨彩画

掌のメッセージ

2009年12月02日 | すずめの百踊り
 “たなごころ” 私の手のひらには、相変わらずシリコンの硬い固定装具が着いています。
 手のひらは、拇指の側と、小指の側ではっきり温度差があり、違和感の取れないままに見つめるうち、ふと口をついて出てきたのが”たなごころ”でした。
 80年のこし方、善き事も悪しき事もどれだけの仕業で酷使してきたことでしょう。その積み重ねが今のこの痛みと悟ると愛しくて、耐えることができます。

 た=手、な=の(上代の連体格助詞 水源みなもと)つまり「手の心」が「たなごころ」です。(和名抄にも「手之心」とあります。)
 確かに、緊張した時は手に汗を握ることになるし、感情を抑えて握りしめた掌が震えることもあります。
 中心的な心を持つからこそ、人との関わりでも、縁を断つのを「手を切る」と表現し、親愛の情を伝達して、あるいは妥協や協調して「手を握る」ことになるのでしょう。
 開いたたなごころにどのような心を読み取ればいいのでしょう。
 「掌のうち」は思いのままになることのたとえに用いられますが、「たなごころを返す」は態度の急変を意味することもあり、定めなき世情に流されることなくじっと見定めてゆく必要がありそうです。


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2 コメント

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掌にお礼を ()
2009-12-04 22:44:47
 手の心がたなごころ… 亦賢くなりました。ありがとうございます。そして 今日も手に汗握りました。とんだひとり芝居です、ファイル形式の違いを見極めず貼り付けていました。何のことか。ほんとうにお騒がせいたしました。ふくら雀さんの手には金の仏が… お忙しいところ何度もお調べいただいてありがとうございました。
  光リカガヤク掌ニ 
     金ノ仏ゾオハスナレ。

     光リカガヤク掌ニ
     ハツト思ヘバ仏ナシ。

     光リカガヤク掌ヲ
     ウチカヘシテゾ日モスガラ。

 お礼に 北原白秋の「掌」をお贈りします
 軽やかな雀さん さえずりが聞こえるようです。なんでもこなすあざやかなふくら雀さんの手。 
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手のひらを太陽に (ふくら雀)
2009-12-05 11:00:25
やなせたかし作詞の童謡を思い出しました。かざす手のひらを透かして何が見えてくることでしょう。みんなみんな友達。いい詩ですね。

所詮は金のみ仏、お釈迦様の手のひらの上で、つたない雀踊りを演じているに過ぎないのでしょうが、いましばらく浮世のしがらみにしばられながらの手踊りを続けて行かねばならないようです。

完璧に仕上がった美しい画像がお目見えする日を楽しみにお待ちしています。
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