「出版社」は、かつては、読まれない本も売れない本も、たくさん出版していました。
昭和の時代のことです。
昭和の時代に本を読む習慣が身に付いた人達は、そんな本の中の1冊と出合って感動したり、
いろいろなことを学び、本のおもしろさ、本の素晴らしさを感じました。
江戸時代、紫式部は今ほど読まれる作家ではありませんでした。
『源氏物語』を読む人は明治時代もそんなに多くはいませんでした。
紫式部と『源氏物語』を読まれるようにしたのは、昭和の時代の出版の功績の一つです。
「昭和の時代の出版の功績」というとき、「作家、出版社、書店、取次...の功績」が含まれます。
出版の仕事に携わった先輩達一人ひとりの働きがあって、紫式部は、読まれる作家として育っていったのです。
それでも、『源氏物語』を原文で通読できる人、原文で当時の読者が感じとっていたことを、
読み取れる人は、今日の読者には、ほとんどいないといっても過言ではないでしょう。
『源氏物語』を読み続けている人には、一人ひとりに源氏の世界があるはずです。
『源氏物語』を読み続けると、ある日、突然視界が開けて、貴方の『源氏物語』が生まれはじめます。
10年20年30年40年50年と読み続けましょう。
与謝野晶子、谷崎潤一郎、円地文子、田辺聖子、瀬戸内寂聴(70代になって訳されました)…
他にも何人かが訳されていますし、現在進行形で訳されている方もおられるはずです。
昭和の時代の出版を支えたこういう先輩作家の偉業の1つは、
『源氏物語』を読まれる作品にして後輩達に近づけてくれたこと、紫式部を読まれる作家にしたことです。
そして、もう一つが、いま私達がつかっているような「日本語」をつくってくれたことです。
明治大正昭和の時代の出版人の努力。
そこから生まれた多くの恵み。
それらを与えられた人達の中から、
先輩達の功績に敬意を払って、
『源氏物語』の1ページを開けられること、紫式部の伝えようとしたことに近づけることに、感謝して、
源氏の一文字一文字、一文一文を伝えていく歩みが、昭和から平成へと、バトンタッチされて、
その歩みが止まらないように、できるだけのことはするように努めて、
歩み続けようという願いが沸き起こってくるような人が、一人でも生まれてくることを願います。
一人ひとりにできることは、ささやかなことです。
人知れず行えることしかできないので、
昭和の作家が訳された『源氏物語』や昭和の時代に出版された原文を開き続けること、
読み続けることだけは、やめないで、続けていきましょう。
今も出版に関わる人たちは、紫式部とも一緒に歩んでいます。
紫式部は小説を書く人達の大先輩です。
昭和の時代のことです。
昭和の時代に本を読む習慣が身に付いた人達は、そんな本の中の1冊と出合って感動したり、
いろいろなことを学び、本のおもしろさ、本の素晴らしさを感じました。
江戸時代、紫式部は今ほど読まれる作家ではありませんでした。
『源氏物語』を読む人は明治時代もそんなに多くはいませんでした。
紫式部と『源氏物語』を読まれるようにしたのは、昭和の時代の出版の功績の一つです。
「昭和の時代の出版の功績」というとき、「作家、出版社、書店、取次...の功績」が含まれます。
出版の仕事に携わった先輩達一人ひとりの働きがあって、紫式部は、読まれる作家として育っていったのです。
それでも、『源氏物語』を原文で通読できる人、原文で当時の読者が感じとっていたことを、
読み取れる人は、今日の読者には、ほとんどいないといっても過言ではないでしょう。
『源氏物語』を読み続けている人には、一人ひとりに源氏の世界があるはずです。
『源氏物語』を読み続けると、ある日、突然視界が開けて、貴方の『源氏物語』が生まれはじめます。
10年20年30年40年50年と読み続けましょう。
与謝野晶子、谷崎潤一郎、円地文子、田辺聖子、瀬戸内寂聴(70代になって訳されました)…
他にも何人かが訳されていますし、現在進行形で訳されている方もおられるはずです。
昭和の時代の出版を支えたこういう先輩作家の偉業の1つは、
『源氏物語』を読まれる作品にして後輩達に近づけてくれたこと、紫式部を読まれる作家にしたことです。
そして、もう一つが、いま私達がつかっているような「日本語」をつくってくれたことです。
明治大正昭和の時代の出版人の努力。
そこから生まれた多くの恵み。
それらを与えられた人達の中から、
先輩達の功績に敬意を払って、
『源氏物語』の1ページを開けられること、紫式部の伝えようとしたことに近づけることに、感謝して、
源氏の一文字一文字、一文一文を伝えていく歩みが、昭和から平成へと、バトンタッチされて、
その歩みが止まらないように、できるだけのことはするように努めて、
歩み続けようという願いが沸き起こってくるような人が、一人でも生まれてくることを願います。
一人ひとりにできることは、ささやかなことです。
人知れず行えることしかできないので、
昭和の作家が訳された『源氏物語』や昭和の時代に出版された原文を開き続けること、
読み続けることだけは、やめないで、続けていきましょう。
今も出版に関わる人たちは、紫式部とも一緒に歩んでいます。
紫式部は小説を書く人達の大先輩です。