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紫式部の「意」☆『源氏物語』の「言」☆読者の「象」

2009年07月10日 13時55分24秒 | スイーツ文庫 BLOG
「出版社」は、かつては、読まれない本も売れない本も、たくさん出版していました。
昭和の時代のことです。

昭和の時代に本を読む習慣が身に付いた人達は、そんな本の中の1冊と出合って感動したり、
いろいろなことを学び、本のおもしろさ、本の素晴らしさを感じました。

江戸時代、紫式部は今ほど読まれる作家ではありませんでした。
『源氏物語』を読む人は明治時代もそんなに多くはいませんでした。
紫式部と『源氏物語』を読まれるようにしたのは、昭和の時代の出版の功績の一つです。
「昭和の時代の出版の功績」というとき、「作家、出版社、書店、取次...の功績」が含まれます。

出版の仕事に携わった先輩達一人ひとりの働きがあって、紫式部は、読まれる作家として育っていったのです。

それでも、『源氏物語』を原文で通読できる人、原文で当時の読者が感じとっていたことを、
読み取れる人は、今日の読者には、ほとんどいないといっても過言ではないでしょう。


『源氏物語』を読み続けている人には、一人ひとりに源氏の世界があるはずです。

『源氏物語』を読み続けると、ある日、突然視界が開けて、貴方の『源氏物語』が生まれはじめます。
10年20年30年40年50年と読み続けましょう。

与謝野晶子、谷崎潤一郎、円地文子、田辺聖子、瀬戸内寂聴(70代になって訳されました)…
他にも何人かが訳されていますし、現在進行形で訳されている方もおられるはずです。

昭和の時代の出版を支えたこういう先輩作家の偉業の1つは、
『源氏物語』を読まれる作品にして後輩達に近づけてくれたこと、紫式部を読まれる作家にしたことです。
そして、もう一つが、いま私達がつかっているような「日本語」をつくってくれたことです。

明治大正昭和の時代の出版人の努力。
そこから生まれた多くの恵み。

それらを与えられた人達の中から、
先輩達の功績に敬意を払って、
『源氏物語』の1ページを開けられること、紫式部の伝えようとしたことに近づけることに、感謝して、
源氏の一文字一文字、一文一文を伝えていく歩みが、昭和から平成へと、バトンタッチされて、
その歩みが止まらないように、できるだけのことはするように努めて、
歩み続けようという願いが沸き起こってくるような人が、一人でも生まれてくることを願います。

一人ひとりにできることは、ささやかなことです。
人知れず行えることしかできないので、
昭和の作家が訳された『源氏物語』や昭和の時代に出版された原文を開き続けること、
読み続けることだけは、やめないで、続けていきましょう。

今も出版に関わる人たちは、紫式部とも一緒に歩んでいます。

紫式部は小説を書く人達の大先輩です。



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