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よみがえるリーマンの悪夢

2023-03-23 10:02:00 | 日記

米銀行破綻は大惨事の始まりに過ぎない…「不動産市場大暴落」で世界でリーマンショック再来のヤバすぎるシナリオ


よみがえる「リーマンショック」の悪夢

リーマンショックが教えているのは「金利上昇で不動産市場が不調となり、クレジット市場が大混乱に陥るのが最も危険な金融危機だ」ということだ。


3月10日に米西海岸が地盤のシリコンバレーバンク(SVB)が破綻して以降、銀行不安が急激に広まっている。震源地となったSVBの2022年末時点の総資産は約28兆円。リーマンショック時に破綻したワシントン・ミューチュアルに次ぐ、米銀では過去2番目の規模だった。

しかし、米銀行の連鎖破綻は「きっかけにすぎない」と経済産業研究所コンサルティングフェローの藤和彦氏は言う。藤氏の懸念の先には、世界の不動産市場の大きな異変がある。

前編「世界同時不況」が再び…!アメリカ「銀行連鎖破綻」ではすまない「世界不動産大ショック』のヤバすぎる罠に続き、悪夢のシナリオをお届けする。

危ない銀行は186行も…

SVBの破綻に特殊事情があったのは事実だ。

イエレン米財務長官は16日、米連邦議会上院の財政委員会でSVBの破綻について「しっかり管理していてもソーシャルメデイアなどをきっかけに預金が一気に流出すれば銀行は破綻の危機にさらされる可能性がある」と発言したように、ネット上の「取り付け騒ぎ」は新しい現象であり、従来の規制で危機を回避するのは難しいだろう。

イエレン氏はさらに「SVBは特に預金保険の対象外となる大口顧客が多かったために、対応が難しかった」と述べている。

3月18日付ウオール・ストリート・ジャーナルは「SVBと同様のリスクにさらされる可能性がある銀行は186も存在する」と報じている。

そのせいだろうか、米国の金融市場で資金繰りを「最後の貸し手」である中央銀行に頼っている構図が鮮明になっている。FRBは16日「銀行によるFRBからの借り入れは15日時点で約20兆円に急増した」と発表した。この数字はリーマンショック時を抜いて過去最高となっている。

米銀の破綻は欧州にも飛び火している。

スイスの金融大手UBSは19日、経営不安が強まっていたクレデイ・スイスを約4277億円で買収すると発表した。大手金融2社の統合を後押ししたスイス国立銀行(中央銀行)は両社に対し、14兆円超の規模の流動性支援を行うことを明らかにしている。

一連の中央銀行の迅速な対応を評価する向きがあるが、筆者は「危機は序の口に過ぎないのに中央銀行は既に多くのカードを切ってしまったのではないか」と懸念している。

深刻な影響を受ける「不動産市場」

昨年、世界の中央銀行は高騰するインフレを抑制するため、過去20年間で最も速く、かつ、最大規模の利上げを実施した。金利引き上げによる悪影響が生ずるのはこれからだ。

今回の銀行破綻などはその端緒だが、最も深刻な影響が出るのは不動産市場だ。住宅ローン金利の高騰により不動産需要が激減するからだ。

昨年の世界の不動産投資額は前年比19%減となっており(3月15日付日本経済新聞)、多くの国々で不動産市場が揺らぎ始めている。

中でも心配なのは欧州の不動産市場だ。

欧州中央銀行(ECB)が3月から量的引き締め(QT)を開始したため、欧州市場の金利は14年ぶりの高水準となっている(3月11日付日本経済新聞)。ECBはさらに16日に0.5%の利上げを決定した。

銀行不安よりもインフレ抑制を優先した形だが、不動産市場にさらなるストレスがかかるのは確実だろう。欧州連合(EU)の金融リスク監視当局が「不動産市場が急速に悪化して金融市場にシステミックリスクが生じる恐れがある」と警告していたのにもかかわらずに、である。

リーマンショックが教えているのは「金利上昇で不動産市場が不調となり、クレジット市場が大混乱に陥るのが最も危険な金融危機だ」ということだ。

クレジット市場では貸出債権や社債など様々な信用リスクを加工して証券の形で売買する「証券化商品」や信用リスクを原資産とする「派生商品(デリバティブ)」などが取引されているが、取引される金融商品が複雑なため、流動性が低下しやすい。

不動産が元になっている取引が多いことから、不動産市場に異変が生じるとクレジット市場が混乱し、負の連鎖が世界の金融市場全体に波及することがしばしばだ。

密かに、着実にせまっている「金融危機」

足元のクレジット市場にはストレスが着実に蓄積されているが、金融市場はこれを反映していない。だが、欧州の不動産市場がさらなる変調をきたせば、クレジット市場に大きな亀裂が出現するのは時間の問題なのかもしれない。

銀行不安の対応で手一杯になっている感が強い中央銀行だが、このあとに来る本物の金融危機に対処する余力ははたしてあるのだろうか









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