先日、強烈な映画を見た。1974年に日本公開、スティーブ・マックイーンとダスティ・ホフマンの共演の作品『パピヨン』のリメイク版で
日本では2019年公開、主演がチャーリー・ハナム、共演はラミ・マレック(クイーンのフレディ・マーキュリー役で有名になった)だった。
鑑賞者による批評では、オリジナル版と比較して見劣る…という評を散見したが、私も見たといってももう46年前の話なので、記憶も薄い。
ただ、強烈な印象を受けたことは間違いなく、その頃撮ったセルフポートレートのタイトルに着ていたパジャマが囚人服を思わすのと暗い表情に
眼だけがギラギラしてるのが、映画パピヨンを思わすことから『パピヨン』と名付けた…くらいだから、最新版がどんなだか見てみたのだ。
私は22歳。写真学校の2年生…やっと自分の囚われの運命から脱出した気分の頃の自写像
物語は実話で1906年生まれのアンリ・シャリエールというフランス人が25歳の時、無実で終身刑になり、南米の仏領ギアナにある島の刑務所に。
脱獄しては失敗して過酷な懲罰房に入れられ、失敗する都度により過酷な監獄へ送られてもへこたれず15年目に脱獄に成功する・・・という話。
島の監獄はあまりにもひどいので、時代を忘れて見ていたが、最期のシーンで旅客機が飛んでいる…のを見て『あれっ?』と変な驚き。
脱獄後、ベネゼエラで結婚して食堂を営んでいたが、自身の体験を小説に書き、それを出版するためにフランスに渡るシーンだった。
ともかく、独房に何度も入れられるが、『何も話してはならない…』という規則が徹底される。一度目は2年間。2度目は5年・・・
普通なら気が狂って死んでしまう者がほどんどだ、というのに・・・決して脱出することを諦めない、その信念がとにかく凄い!
誰もがこの映画を見たら、自分だったら耐えられるだろうか…と自問して『無理だ』と観念すると思う。
だからこそ、この映画が実話であったと知ると、そういつた信念を持った人間の存在に私達は畏敬の念を抱くのだろう。
1974年に見たときには気付かなかつたが、新版では『独房』で『一黙』を強要される…シーンが印象に残った。
刑務所というと、禅修行も刑務所のような一面(例えば一黙)があると感じていたものだ・・・そこでこんな一句を詠んでみた
十年の 刑務所ならぬ 無処つとめ 娑婆でのさばる 無法者かな… : 馬骨
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