先日、相方ニコルの姉の娘の息子・・・早い話が『姪』の息子、『慧理安子・エリヤス』君の一歳の誕生日パーティがあった。
姪夫婦のアパートの庭を借りての野外パーティーで、夫婦双方の親戚一同が集まった形で、姪の旦那の兄弟等とは初めてお目にかかったことになる。
姪の旦那の家族は、母親の血統のせいか皆背が高く、赤毛色白、そして一様に寡黙・・・な印象。
彼等一族のオリジナル・ルーツはどこだろうか?・・・と好奇心が頭をもたげる。
その血があるからなのか、一歳になったエリヤス君は『デカイ赤ん坊』で衣類も2歳児のを着ているらしい。
で、姪の母親はニコルの姉であるが、父親というのは姉の一時の気まぐれ関係で彼に与えた称号といえるだろうか。
彼はポルトガル人、包丁一本持ってスイスにやって来た料理人、『姪』を産んだあと、ポルトガル人女性と結婚して二人の娘を育てたが
その女性と離婚してからずーっと御無沙汰であったからその後の消息は『姪』からの又聞き情報しかなく詳細を知らなかった。
そういった若干複雑な家庭の事情の中を『姪』はほぼ支障もなく父方、母方親戚一同と良好な関係を築き上げてきていた。
その結果を可視化したのが、この日の『エリヤス、一歳の誕生日』会であった。
『姪』の父親は、現在のガールフレンド、元妻、娘の母親・・・という関係を持った3人の女性と一堂に会したわけであるが、
それぞれが時の経過とともに、良き伴侶を得、幸せそうに互いを紹介しあい近況を尋ね合う・・・そういった風景を傍で観ていて
多少とも彼等の過去の事情を知っている者(私)にとって、ちょっとした小説を目の前で読んでいるような不思議な気持ちになったのである。
ヨーロッパに来て、三十数年の歳月が、確かに私の上にも流れていた事を肌で感じたような気分・・・とでも言おうか。
ことに、『姪』の腹違いの姉妹の二人の成長ぶり・・・以前会ったのが彼女等が十代始めの頃で、まだ行く末のわからないギャル娘であったが
学歴のないポルトガル人両親の献身的な子育てが功を奏し、長女は弁護士になり、次女は助産婦を目指し、この秋より看護婦として病院に勤務することに
なっているという・・・スイス生まれでも気さくなポルトガル気質は両親からしっかり受け継いでいるらしく、二人共に明るく屈託ない様子で
遠い親戚の一人である東洋人の私に、近況を話してくれた。
こういったザックバランな人間関係・・・というのはヨーロッパ的・・・とでも言えるであろうか、私にとっては何かとても新鮮な風に吹かれたような気分であった。
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