1977年8月14日に『日曜洋画劇場』でブルーハワイを見てから始まった
エルヴィス・ファン歴が45年と2日になりました。
そもそもバークレー氏 は生来の凝り性だったものの、こと音楽に関しては
なんでこんなに(← 「孫」風)エルヴィスに興味が集中したのかと
毎年8月16日は、そんな考えを巡らせるベーブ・ルースの命日となっています
まだ8月ですけど、ざっと2022年の「日々是エルヴィス」を振り返ってみましょう。
2022年公開の映画「エルヴィス」ってのが、エルヴィスの予備知識のない層に
やたらと「ルーツはブラック・ミュージック」と印象付けてしまったようで、
2022年6月18日にTBSのラジオ番組で「エルヴィスに何かあっても
戻る場所にはブラック・ミュージック」と発言した者もいましたが、
「戻る場所はゴスペル」の方が良さそうなのは
長くエルヴィス・ファンを続けているひとには分かると思います。
同番組に映画「エルヴィス」他の解説者役として出演していた
西寺郷・・・なんとかさん ってのが、
湯川さん仕込みという、割とまともなエルヴィス解説をしていましたが、
サン・レコードの「That's All Right」を紹介する際に
リバーブがかけられたRCA音源を用いていたのはちょいと残念でした。
まあ、こんとこ盛んに語られる「エルヴィスとブラック・ミュージック」から
「エルヴィス考古学」新説を生み出したわけですが・・・
「エルヴィスは作詞も作曲もしなかった」のマイナスイメージの評論に
反発する意図は全くなかったのですが、2022年の「日々是エルヴィス」では
2月に『「ブルーハワイ」録音からおよそ61年目 : 付け足したのは誰?』として
どうやらエルヴィスが「so are we」のくり返しを付け加えたのではないのかとか
5-6月に『Witchcraft』に関して「ahaha」の付け加えを指摘したりと
私はやたらとエルヴィスが加えたであろう「アレンジ」について日記を書きました。
「Witchcraft」の「ahaha」なんてのもそうでしょうけど、
エルヴィスが歌っていて、自分で心地が良いアレンジが
結果的に聞き手を満足させる仕上がりになるという
「100年に1人の歌手」ならではの「自然な成り行き」をそこに感じたのですが
本日の日記は「故意的なもの」を書くことになりました。
1954年7月5日にサンレコードで「Elvis, Scotty And Bill」の白人3人組が
ブルースソング(ブラック・ミュージック)「That's All Right」を録音した瞬間に
ロカビリー(もしくはロックンロール)が誕生したとする捉え方が
一般的なものになっています。
そして「That's All Right」とカップリングされてシングル盤になったのは
「Blue Moon Of Kentucky (YouTube])」であると、現在の我々には分かっているのですが
「エルヴィス考古学」的なアプローチをする場合には
「That's All Right」完成から「Blue Moon Of Kentucky」録音に至る間の
「Elvis, Scotty And Bill」の心理状態を探る必要があります。
サム・フィリップスに「That's All Right」のパフォーマンスを認められ、
サン・レコード専属歌手契約に至ったエルヴィスですから
普通に考えると、別のブルースソングを2曲目に選びそうな気がします。
しかし1954年7月7日に試みられたのは「Blue Moon Of Kentucky」で、
ビル・モンローのオリジナルバージョン(YouTube)が、青い月に向かって
「ずっと輝いていておくれ」と「お願いベース」で歌われたのに対し、
エルヴィスは「輝き続けなきゃ承知しないぞ」の、
もはや「脅迫ペース」で歌っているのが大きな変化でした。
白人3人組がカントリーソングに取り組んでいるのに素直なカントリーにならず、
ブラック・ミュージックを思わせる「脅迫ペース」を取り込んだのは
「That's All Right」のごく自然な「白と黒の融合」に比べて故意的であると言えまして、
1954年7月5日録音の「That's All Right」よりも
1954年7月7日の「Blue Moon Of Kentucky」の方が、より革新的であり、
ロックンロールよりもさらに進んだ「ロック誕生」の瞬間ではなかったのかと
音楽評論家でも何でもない、ただの音楽好きがそれを指摘する8月16日は・・・
高校球児・松井秀喜が甲子園で5打席連続敬遠された記念日なのでございます
自分でも思う、ボケ抜きの音楽評論してみろと
エルヴィスのブログでシロチンとケロチンもBeach Bird BluesてえんだからFTDだって・・ by TiBITA (タイビットA) 16 20 22 24 26 28 41
その違いを解説してみたんですけど、以前に同様な振り分けで
「Blue Suede Shoes」のカール・パーキンス・バージョンと
エルヴィス・バージョンを取り上げていたことを白状します
その前段階として、植木等氏(師)の自己分析で
かつてのコメディアンは皆、
「被害者モード」を笑いにつなげていたけど
自分の場合は「加害者モード」
と語っていたのに影響を受けていたのでした