正定寺の閑栖  (しょうじょうじのかんせい)

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回向袋 (えこうぶくろ) と欲袋 (よくぶくろ)

2013年03月27日 | 日記
檀家さんは春のお彼岸には「回向袋」をお供えします。

回向袋は封筒になっていてお米を入れて
ご本尊さまやご先祖さまにお供え致します。



回向袋には檀家さんの施主名を書き込みます。

回向とは「回し向ける」と言う事です。
これは布施心の善行がいずれ自分や他の者への
功徳となることを意味します。

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正定寺では、地区の世話人さんが取り集めて
お彼岸中に位牌堂にお供えして下さいます。

春のお彼岸と初午(お稲荷さん)の合祀法要日には、
檀信徒のご先祖さまに参拝者と共に焼香読経して
回向を致します。



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今朝、ご婦人がお参りになってこんな事を
話していました。

ご婦人「回向袋には亡くなった母やご先祖さまの顔を思い浮かべ
お米を詰めました。」

檀信徒の皆さんがご先祖を思い浮かべながら
お供えしているのだと思うと、とてもうれしく感じました。

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ここでブログが終わるとタイトルの「欲袋」の
意味が判らないですよね。


正定寺の回向袋は一般的な平封筒ですが、
以前は「マチ付き封筒」でした。
底が広くて膨らませると厚みができる封筒です。

見た目よりマチ付きの封筒はたくさんの
お米が入ります。

思ったよりお米を詰めなければならないので
檀家さんの中には「お寺の回向袋」と言わずに
「お寺の欲袋」という方が現れました。

こんな言い方をするお茶目な檀家さんは、
お米を回向袋に詰める時には、
ご先祖さまの姿を思い浮かべるのではなくて、
私の顔を想像しながら詰めるのでしょうね。

私の顔を思い浮かべながらでは、余りにも切なく
功徳はなさそうですね。
良く「莫妄想」と言います。

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回向袋を欲袋と呼ぶのは、正定寺に限らず
全国的なものらしいです。

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季節の「タラの芽と蕗のとう」を和尚さんにと
持って来てくれたご婦人と「回向袋と欲袋」の
話しで大笑いしながら一時を過ごしました。

早速、天ぷらにして初物を頂きました。
タラの芽を食べて「長生きして下さい」と
言ってご婦人は帰りました。

雨の中を山に採りに行って下さったご主人は
私の顔を浮かべながら丁寧に摘んで下さったと
思うと、もったいなくていつも以上に
感謝しながら頂きました。




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