食事に偏りがあるように,撮影ポイントにもそれぞれ嗜好があるようだ.
富山に向かう浜通り8号線に沿って形成される集落の中でも,私は筒石集落がことの他お気に入りだ.旧道はわずか3メートルほどの道幅を挟んで対峙する町屋が,蛇行しながら並んでいる.町並みは正確に計った訳ではないが,300メートルほどであろうか.ここは,交通手段が荷馬車や徒歩の形態が色濃い時代の,光景を残している,顕著な家並みなのである.しかも急峻な崖の下にと形容するのは,まさにこの集落のことで,背後に迫るコンクリートで覆われた法面工事が見事である.
筒石集落に入る直前には今にも朽ち果てそうな古い船屋がある.事実,現在の国道8号線が昭和40年代に出来たときに,海側に作り直した船屋だから,50年近くたっている.新しい船屋は集落の前に移り,この船屋や朽ちるに任せていると,老漁師は私の質問に,面倒くさそうに答えてくれた.
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