写真家 濱谷浩が著した写真集「雪国」で撮影した写真は多々あるが、桑取谷での写真は核をなしている。そのうちの多くが小正月に関するものだが、先に紹介した鳥追いに続いて、やはり桑取で行われるさいの神 オーマラのジオラマも作成していたので、紹介します。子供たちによる鳥追に続いて次の日の夜に行われるのがさいの神である。俗にどんど焼きと言われている行事で、小正月に神社に行って正月飾りや書き初め、幣束などを燃やして感謝する、といったところであろうか。始まりは平安時代の宮中行事であったらしい。いずれにしても五穀豊穣、健康安念、子孫繁栄などを祈念することなどに由来するのだろう。その意味では、桑取谷西横山のさいの神行事は道祖神の祀られた場所近くで行われることと、その祀られた道祖神の像が男性にシンボルを表していることから、子孫繁栄色を強くしていると思われる。しかも男衆は日のついた麻の松明をもち、お互いの体を叩き合いながら「オーマラ、オーマラ」と叫びながら、竹、木、ワラなどで組み上げた7、8mほどの高さのさいの神の周りを、走り回るのである。麻の松明からこぼれ落ちる火の粉が、闇を焦がして迫力があるので、虚味のある方はご覧ください。オーマラ、あるいはマラとは男性のシンボルのことである。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます