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<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
・再々中断していた「熟語の読み・一字訓読」シリーズを再開します。
・223回からは、漢検漢字辞典第2版の内容を加味したり、調べる辞典の範囲を大字源・漢字源などまで拡大した内容にて、整理しているので、初期のこのシリーズの記載内容とは濃淡・精粗があります・・・223回からのほうが内容が濃いと思います。お含み置きください・・・追って、初期の内容についても、内容を拡充していきたいとは考えています。
・なお、別の記事などにて、漢検2記載内容を踏まえた「熟語の読み・一字訓読、音訓整理」を案内したものもあり、一部重複しているかもしれません・・・この点もお含み置きください。必要に応じて、なるべく、同記事内容も再録いたします。
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●熟語の読み・一字訓読(その281)です。 ゴチック・太字は漢検2にも記載あり。
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<逋:フ、ホ、に(げる)、のが(れる)、かく(れる)、おいめ>*フ音の熟語ナシ。
・に(げる):逋民、逋逃=にげる、逋播(ホハ)=本国を抜け出て遠く逃亡する *「逋播之臣」=亡命の臣 、逋徒=国から逃げ出した者、逋遷=亡命して他国へうつる
・のが(れる):逋逃、逋走=のがれ走る、逋脱=逋税=税からのがれること。滞納している税。こういうことで“おいめ”のあること。
・かく(れる):逋罪=罪をのがれかくれる、逋竄=のがれかくれる、逋客(ホカク)=世を避けた隠者
・おいめ:(かけめ、おいめ、未納の税のこと)逋欠、逋負(ホフ)=①負債をのがれてつぐなわない、滞納の税。②つぐなうべきして、まだつぐなっていないもの。逋賦、逋米=未納の賦米・未進米、逋流=税を修めない、滞っている租税。逋糧=課税をのがれる
(参考ー既公開記事ー)
①その1「逋逃」
・記憶に新しい、27―②の読み問題で出題された「それ逋れ逃げ、その国に帰る」・・・標準解答では「のが(れ)」。
・第1版にも第2版にも、意味①として「のがれる。にげる。かくれる。「逋逃」」とあった・・・この「逋逃」の応用で出しているのかあ・・・てことがわかった(^^)
・しかし、この「逋逃」、各辞典で以下のとおり・・・
漢字源:「にげる」(とらえられるのをさけてにげる)
大字源:罪を犯して逃亡すること・逃亡した罪人
字 通:逃亡、亡命者
大漢和:刑罰をのがれる、のがれかくれる、また、その人。
・送り仮名が「逋“れ”」なので、さすがに「にげ(れ)」はムリがあるだろうけど、「かく(れ)」は微妙だと思うけど・・・現に、漢検辞典でも上記のとおり、「のがれる・・・かくれる」の後に「逋逃」と載せているんだから(ーー)
・とは云っても、第1版では、実は、音訓は「ホ、フ、のが(れる)」のみ掲載、大見出しでは「逋(のが)れる」となっているので、第1版レベルでは、「のが(れる)」にしないとダメという事なのかもしれない・・・ま、この設問の場合は、「のがれる」が適切だとは思うけど、「かくれる」ではダメな根拠が今いち、よくわからない・・・。
・なお、第2版では、音訓「ホ、フ、に(げる)、のが(れる)、おいめ」と増加している。依然として、「かくれる」は意味の方での記載に止まっている。
②その2「逋欠」
・この「逋」を調べていて、第1版にも第2版にも、しらっと「意味② 負債や租税をはらわない。「逋欠」 (←読みは記載なし)」と出ていた。
・この「逋欠」・・・1級受検者ならピンとくると思いますが、読みは「ホケン」 。調べたら、いつもの4辞典ともここは満場一致で「ホケン」でした。・・・「欠伸(ケンシン)」の「欠(ケン)」と同じ読み方ですね・・・ただし、この「欠(ケン)」は、「借り、借りがある(負い目がある)」というような意味での「ケン」です。「逋」の訓読みの「おいめ」に該当しそう・・・。
・なお、「欠(ケン)」読みによる熟語は「逋欠(ホケン)」「欠伸(ケンシン)」以外にも幾つかありますが、それはまたこの次にご案内します。
・ここは、この「逋欠(ホケン)」を覚えておいた方が良いかも・・・今度は、音読み問題で出るかも知れない(^^)
(本記事に追記)(かり、借りがある、税の未納などに関連する)「欠(ケン)」の熟語:欠負(ケンプ)=税をまだ納めない(字通は「ケップ」)、積欠(セキケン)=累積滞納する、欠債(ケンサイ)=税を納めない、欠籍(ケンセキ)=税の未納を記録する帳簿・・・
<迸:ホウ、ヘイ、はし(る)、ほとばし(る)、たばし(る)>*漢検2「たばし(る)」訓ナシ(意味①にはあり)
・はし(る):迸竄(ホウザン)=はしりのがれる、迸走(ホウソウ)=にげ走る
・ほとばし(る)、たばし(る):迸散(ホウサン)=ほとばしり出る、飛び散る。迸出(ホウシュツ・ヘイシュツ(注))=ほとばしり出る、迸瀑(ホウバク)=瀑のようにほとばしる、迸沫(ホウマツ)=水が湧き出る、迸溜(ホウリュウ)=ほとばしるしたたり、迸涕(ホウテイ)=ほとばしるなみだ
(注)漢検2:「迸出(ヘイシュツ)・・・“ホウシュツ”とも読む」と掲載されている。他の漢和辞典はすべて「ホウシュツ」・・・。
*「ヘイ」音の熟語は調べた範囲では見当たらず(大字源では「ヘイ」音で「はしる」意となっているも、熟語なし。「ホウ」音にも「はしる」意あり。)。
<逵:キ、おおじ、おおどおり>
・おおじ、おおどおり:逵路(キロ)、大逵(タイキ)、通逵(ツウキ)
<遏:アツ、と(める)、とど(める)、た(つ)、さえぎ(る)>
・と(める)、とど(める):遏雲、遏止、遏悪、遏塞、遏糴(アツテキ)=隣国が買い入れる穀物をとどめる=米穀の輸出を止める
・た(つ):遏絶=①たち切る・種族を残らず滅ぼす ②さえぎりとめる、遏截(アツセツ)=とどめたつ・とどめさえぎる、遏劉(アツリュウ)=王者が殺戮を絶ち止めるをいう。
・さえぎ(る):禁遏、防遏、擁遏、抑遏
<遑:コウ、あわただ(しい)、あわ(てる)、いとま、ひま>
・あわただ(しい):遑遽(コウキョ)=ひどくあわてる=惶遽
・あわ(てる):遑急=あわて急ぐ、遑惑=あわてまどう、遑遑=こころが落ち着かない、うろうろするさま、いそがしいさま =皇皇=惶惶=栖栖(棲棲:セイセイ)
・いとま、ひま:遑安=ひまがあってやすらか、遑暇(コウカ)=ひま、いとま、遑息=休み憩ういとまがある、遑寧(コウネイ)=いとまがあって安んずる
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<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
・再々中断していた「熟語の読み・一字訓読」シリーズを再開します。
・223回からは、漢検漢字辞典第2版の内容を加味したり、調べる辞典の範囲を大字源・漢字源などまで拡大した内容にて、整理しているので、初期のこのシリーズの記載内容とは濃淡・精粗があります・・・223回からのほうが内容が濃いと思います。お含み置きください・・・追って、初期の内容についても、内容を拡充していきたいとは考えています。
・なお、別の記事などにて、漢検2記載内容を踏まえた「熟語の読み・一字訓読、音訓整理」を案内したものもあり、一部重複しているかもしれません・・・この点もお含み置きください。必要に応じて、なるべく、同記事内容も再録いたします。
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●熟語の読み・一字訓読(その281)です。 ゴチック・太字は漢検2にも記載あり。
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<逋:フ、ホ、に(げる)、のが(れる)、かく(れる)、おいめ>*フ音の熟語ナシ。
・に(げる):逋民、逋逃=にげる、逋播(ホハ)=本国を抜け出て遠く逃亡する *「逋播之臣」=亡命の臣 、逋徒=国から逃げ出した者、逋遷=亡命して他国へうつる
・のが(れる):逋逃、逋走=のがれ走る、逋脱=逋税=税からのがれること。滞納している税。こういうことで“おいめ”のあること。
・かく(れる):逋罪=罪をのがれかくれる、逋竄=のがれかくれる、逋客(ホカク)=世を避けた隠者
・おいめ:(かけめ、おいめ、未納の税のこと)逋欠、逋負(ホフ)=①負債をのがれてつぐなわない、滞納の税。②つぐなうべきして、まだつぐなっていないもの。逋賦、逋米=未納の賦米・未進米、逋流=税を修めない、滞っている租税。逋糧=課税をのがれる
(参考ー既公開記事ー)
①その1「逋逃」
・記憶に新しい、27―②の読み問題で出題された「それ逋れ逃げ、その国に帰る」・・・標準解答では「のが(れ)」。
・第1版にも第2版にも、意味①として「のがれる。にげる。かくれる。「逋逃」」とあった・・・この「逋逃」の応用で出しているのかあ・・・てことがわかった(^^)
・しかし、この「逋逃」、各辞典で以下のとおり・・・
漢字源:「にげる」(とらえられるのをさけてにげる)
大字源:罪を犯して逃亡すること・逃亡した罪人
字 通:逃亡、亡命者
大漢和:刑罰をのがれる、のがれかくれる、また、その人。
・送り仮名が「逋“れ”」なので、さすがに「にげ(れ)」はムリがあるだろうけど、「かく(れ)」は微妙だと思うけど・・・現に、漢検辞典でも上記のとおり、「のがれる・・・かくれる」の後に「逋逃」と載せているんだから(ーー)
・とは云っても、第1版では、実は、音訓は「ホ、フ、のが(れる)」のみ掲載、大見出しでは「逋(のが)れる」となっているので、第1版レベルでは、「のが(れる)」にしないとダメという事なのかもしれない・・・ま、この設問の場合は、「のがれる」が適切だとは思うけど、「かくれる」ではダメな根拠が今いち、よくわからない・・・。
・なお、第2版では、音訓「ホ、フ、に(げる)、のが(れる)、おいめ」と増加している。依然として、「かくれる」は意味の方での記載に止まっている。
②その2「逋欠」
・この「逋」を調べていて、第1版にも第2版にも、しらっと「意味② 負債や租税をはらわない。「逋欠」 (←読みは記載なし)」と出ていた。
・この「逋欠」・・・1級受検者ならピンとくると思いますが、読みは「ホケン」 。調べたら、いつもの4辞典ともここは満場一致で「ホケン」でした。・・・「欠伸(ケンシン)」の「欠(ケン)」と同じ読み方ですね・・・ただし、この「欠(ケン)」は、「借り、借りがある(負い目がある)」というような意味での「ケン」です。「逋」の訓読みの「おいめ」に該当しそう・・・。
・なお、「欠(ケン)」読みによる熟語は「逋欠(ホケン)」「欠伸(ケンシン)」以外にも幾つかありますが、それはまたこの次にご案内します。
・ここは、この「逋欠(ホケン)」を覚えておいた方が良いかも・・・今度は、音読み問題で出るかも知れない(^^)
(本記事に追記)(かり、借りがある、税の未納などに関連する)「欠(ケン)」の熟語:欠負(ケンプ)=税をまだ納めない(字通は「ケップ」)、積欠(セキケン)=累積滞納する、欠債(ケンサイ)=税を納めない、欠籍(ケンセキ)=税の未納を記録する帳簿・・・
<迸:ホウ、ヘイ、はし(る)、ほとばし(る)、たばし(る)>*漢検2「たばし(る)」訓ナシ(意味①にはあり)
・はし(る):迸竄(ホウザン)=はしりのがれる、迸走(ホウソウ)=にげ走る
・ほとばし(る)、たばし(る):迸散(ホウサン)=ほとばしり出る、飛び散る。迸出(ホウシュツ・ヘイシュツ(注))=ほとばしり出る、迸瀑(ホウバク)=瀑のようにほとばしる、迸沫(ホウマツ)=水が湧き出る、迸溜(ホウリュウ)=ほとばしるしたたり、迸涕(ホウテイ)=ほとばしるなみだ
(注)漢検2:「迸出(ヘイシュツ)・・・“ホウシュツ”とも読む」と掲載されている。他の漢和辞典はすべて「ホウシュツ」・・・。
*「ヘイ」音の熟語は調べた範囲では見当たらず(大字源では「ヘイ」音で「はしる」意となっているも、熟語なし。「ホウ」音にも「はしる」意あり。)。
<逵:キ、おおじ、おおどおり>
・おおじ、おおどおり:逵路(キロ)、大逵(タイキ)、通逵(ツウキ)
<遏:アツ、と(める)、とど(める)、た(つ)、さえぎ(る)>
・と(める)、とど(める):遏雲、遏止、遏悪、遏塞、遏糴(アツテキ)=隣国が買い入れる穀物をとどめる=米穀の輸出を止める
・た(つ):遏絶=①たち切る・種族を残らず滅ぼす ②さえぎりとめる、遏截(アツセツ)=とどめたつ・とどめさえぎる、遏劉(アツリュウ)=王者が殺戮を絶ち止めるをいう。
・さえぎ(る):禁遏、防遏、擁遏、抑遏
<遑:コウ、あわただ(しい)、あわ(てる)、いとま、ひま>
・あわただ(しい):遑遽(コウキョ)=ひどくあわてる=惶遽
・あわ(てる):遑急=あわて急ぐ、遑惑=あわてまどう、遑遑=こころが落ち着かない、うろうろするさま、いそがしいさま =皇皇=惶惶=栖栖(棲棲:セイセイ)
・いとま、ひま:遑安=ひまがあってやすらか、遑暇(コウカ)=ひま、いとま、遑息=休み憩ういとまがある、遑寧(コウネイ)=いとまがあって安んずる
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