FREAKY 13 DEAKY

酔いどれの誇りと踊る熊へ

汚れた街で天使が歌う

2023-02-07 00:21:27 | 創作詩
まだまだ元気がない夜の街に、くたびれた男たちがさまよい。


クシャクシャになった紙幣をポケットに入れ徘徊して。

思い出とは程遠い場所に座り込み、誰にも見せない涙を缶ビールに誤魔化し。


押し殺した声を汗のかいた缶ビールでふさいで。


バスにも乗らず、タクシーも捕まえず、歩いて家路へ向かう。


夜の女に弱音を吐かずに静かに帰ろうよ。泣くなら一人で。誰にも見られないように。



寂しさは心の中に押しとどめて。口に出さないで。



あとは夢が引き受けてくれるだろう。

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保存されたデータは今捨てるよ

2023-02-07 00:06:18 | 創作詩
ひとりがいいと、君は言う。
それは、今だけなのかこれからもなのかとぼくが君に確認をする。

その顔も表情も真面に見れないのに、そういうことを聞くぼくは真面じゃない。

バレなければいいという、理屈は通らない。


見切りをつけた女の顔が好きだ。

ずっと引きずるその潔さが唯一無二の瞬間だ。



どうか、切り捨てておくれこの関係を。


過去のものにしてしておくれ。



新月の後のこの夜風に晒してくれ。


さよならはもう言わないよ。


おやすみも言いたくないよ。


私の、滑稽な、無様な、バレンタインデーを遠くから笑ってくれ。



泣きながらチョコは食べられないよ。



自分の女々しさを抱きしめているよ。

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