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酔いどれの誇りと踊る熊へ

色川武大著「離婚」読みましたァ…

2017-09-24 20:25:36 | 小説等感想
前略 羽鳥誠一/会津すみ子様へ

もう離婚されていますから羽鳥さんの部屋にはすみ子さんは居ませんよね。
だからこの手紙は羽鳥さんへ向けて書いているつもりです。

羽鳥さんの50枚の手記を読みました。
あまりの衝撃に2度読みしてこの手紙を書いてます。

お二人のなれ初めから離婚に至る場面そして離婚後の行方の一部始終。
大変興味深く読ませていただきました。
男と女の関係とは色々でこれが定型というものはありません。
出逢いも別れも結婚も離婚もその後の関係も定めはありません。
羽鳥さんがこの手記を49歳で書かれた。
50歳の私がそれを初めて読んだ。じつに感慨深いものがあります。
結婚から離婚までそして離婚後の関係まで6年チョットの歳月。
自分の実人生とは似ても似つかないものなのにリアルに迫ってくるため若干熱にうなされました。
正直言って離婚後のあなたの取った行動に怒りというか情けないというか惨めさというか…
とにかく男の性のみっともなさが浮き彫りにされてしまった錯覚を起こしかけ落ち込みました。
まるで自分の恥部を不本意に世間に見せてしまったような感覚です。
これを「腐れ縁」と言って片付けたくないのが私の本心です。
結婚も離婚もその後の男女関係もまったく重なる部分がないのですが、まるで私が「やらかしてしまった」ような
恥ずかしくも不思議と癒される感覚にさせてしまうのはこの手紙からもご理解いただけるのではないかと思います。

あなたの手記により色川氏が第79回直木賞を手にしました。
わたしが11歳。まだ中学生にもなっていないころです。
小学生高学年の私がまさか50の境にこの手記を食い入るように読むこととなるとは思いませんでした。
人生長生きしてしてみるものです。いや、まだ読み終わって間もないところ熱にうなされているからこんな
ことを書き連ねているのかもしれません。ここで筆を置きます。

追伸
また読み返すことがあろうかと予感いたします。気が付くこと新たにありましたらまた手紙書きます。

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