小島貞二著、ちくま文庫刊
著者の後書き「余滴 あとがきにかえて」によれば、主な登場人物4人は、「明治、大正、昭和、そして戦後の4つの時代を、それぞれの人たちに代表してもらい、〝裏から見た演芸史〟といった要素も、若干盛ってみたからである」とのことです。
それ以外にも沢山の奇人、変人が登場し、「時代がその存在を許容したのだな」と理解しつつも、その程度の激しさに驚くばかりです。
私が最も気に入った人物は「爆笑王 歌笑純情伝」に登場する三遊亭歌笑です。
屈折した複雑な性格ながら、愛嬌のある人骨であったろうと感じました。
著者の経歴は、大変珍しく、芸能担当記者から放送作家に転じた後は、演芸全般の評論、研究に打ち込み、多くの著作を残されたようです。
文体が暖かく、お人柄を感じました。
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○小島貞二 ○三遊亭歌笑 ○三遊亭歌笑(三代目)妻を語る
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評価は4です。
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