読書三昧

本は一冊一冊がワンダーランド。良い本との出会いは一期一会。そんな出会いを綴ります。

古陶の譜

2011年01月10日 12時45分47秒 | ■読む
茨城県陶芸美術館で開催中の展覧会です。日本の中世期(15世紀末以降)の窯業地は、瀬戸、常滑、越前、信楽、丹波、備前の六古窯が知られていたが、この30年間で、その他の窯業遺跡が80余ヶ所発見されたとのことです。本展覧会は、代表的な六古窯を中心に、その他の窯業地で生産されたものを含め160点が展示されていました。
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URL => http://www.tougei.museum.ibk.ed.jp/
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陶磁器を鑑賞するのが好きですが、系統立てて学んでいないので、こうした陶器の歴史を踏まえた展示作品群を見ると、色々と学ぶ所があります。例えば、各窯業地の関係、素材となる土が製品に及ぼす影響などです。窯業地は、陶器に適した土があること、燃料があることが条件でありましょうが、取り分け適した土が重要であるようです。その土によって、焼き物の特徴が決まるようです。高い温度に耐えられるかどうか、どのような成分かなどです。例えば鉄分を多く含むと赤く発色する。あるいは長石などを含むと、焼き上がった肌にざらざらした石の粒子が現れて独特の風情となる。
こうした産地毎の特徴が詳しく紹介されていますが、驚いたのは、大きな甕(かめ)がたくさん展示されていたことです。解説によれば、それらの甕によって液体の保存はもちろんのこと、穀物の保存が出来たため、農業の飛躍的な発展に寄与したとのことです。誠に地味な作品群ですが、日常の用に供したものを中心としたものを見ていると、これらのものをどのように使っていたのかと想像します。たまたま、同じ日のテレビ番組で、その昔ベスビオス火山の噴火で火山灰に覆われていたポンペイが紹介されており、その中で、飲み屋の店の中にワインを貯蔵していたと紹介されたのが、大きな瓶でした。成る程、と感心しました。
評価は3です。

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