t-catの徒然寄稿

興の赴くままの煩悩炸裂日記です。買い物(散財)やら、最近のハマリ物公開中。猫(ラグドール)と暮らして18年が過ぎました。

ごめんなさい、知らなかったんです

2007-09-16 18:47:36 | 興の広場
東京のターミナル駅付近を歩いていると、
A4サイズのリーフレット状冊子を持った人がいるのに
気が付きます。

最初、彼らは何をやっているのか、
私は知りませんでした。
ごめんなさい、
極力偏見を交えないように書きたいのですが、
私の目にはあまり見目麗しいとは言い難い、
ホームレス、もしくはそれに類する人としか
うつらなくて。
彼らが掲げるパンフレットは、
新興宗教か何か、
禍々しい物のようにしか見えなかったんです。

金曜日・東京版のA新聞朝刊の記事で
その謎は氷塊しました。

彼らが持っていたパンフレットは、
月2回発行される「ビッグイシュー」という情報誌で、
ホームレスの自立支援を主眼においた活動の
一環だというのです。

1冊あたり幾ばくか発生する売り上げは、
販売者自身に還元され、
将来的には自立・自活を目指す手助けになる、という
英国発祥のシステムとのこと。

新聞の記事を読むまで、
そのような活動があるとは
お恥ずかしながら知りませんでした。
怪しい物持ってるなあ、ぐらいにしか
思えませんでした。

その晩、何というか、
脳天を思いっきりどつかれたような、
頭真っ白になるような衝撃を受けまして、
部屋中うろうろ歩き回りながら
いろいろ、あれこれ、考えました。

世間には知らないことが多すぎる、
気付かない、見えないことも多すぎる。

売り上げの積み重ねが販売員さんを潤すことになったとして、
諸事情あってホームレスになった人たちはまだまだたくさん。
彼らから情報誌を「買う」行為は、
形を変えた「施し」でしかないのでは…
問題の根本的解決にはならないのでは…

だけど、例えば、私が通勤で使う駅で
毎日見かける販売員さんが目標を達成して
販売員を「卒業」できたら、
きっと他の人が代わりにその場に立つでしょう。

販売行為は人と接すること、話すこと。
お金と物のやりとりというやつは、
買う側は意識しないことですが、
買って頂く側にとっては大変意味のあることで。
出会いを積み重ねて自活できた人は、
自分が得た経験をきっと社会に還元できるのでは、
くるくる回る循環が、次の新しい何かを
運んできてくれるのでは…

施しなどと綺麗事を言う前に、
とにかく自分にできることをするしかないだろう、
私は結構ひどい人間で、エゴの固まりで
自己中だから、けっして善行にはならないけど、
雨の日も暑い日も寒い日も、
本を抱えて立っている人の存在を
私は知っているんだから。

というわけで。
昨日、お休みなんだけど通勤時に使う駅に出向き、
初めてビッグイシューを購入しました。

販売員さんはとても礼儀正しく、
感じの良い人だったんです。
朝は6時から、夜は8時過ぎまで
ほぼ毎日立っている、という彼ら。
私には真似できないです、
綺麗な部屋で、エアコンが整った環境で
仕事しているのに時々、いや、しょっちゅう、
不満ぶーたれてるし、仕事いやだなあ、
なんて思ってしまう甘ったれには
絶対できないこと…。

目頭が妙に熱くなってしまった自分は
やっぱり、偽善者なのかな…。

支援活動には、個々温度差があることですので
「皆さん、ぜひ!」とはお勧めしがたいことです。
ただ、街角で立つ彼らを見かけたら、
自活を目指している人たちなのだ、と
認識していただけたら、と思っています。


私ですか?
今後も買い続けますよ、
インターネットはあらゆる情報を無料配信してますし、
フリーペーパーの数たるや相当たる物ですが
あえて買う情報誌にも意味がある、と思いましたので。

ビッグイシュー日本語版サイトはこちらです。
バックナンバーも、販売員さんに頼めば用意してくれます。
常備はしていないみたいですけど、待てる方はぜひ、
バックナンバーも手に取られてみてください。

(上に書いた販売員さんは「今日中に用意できます」と
言っていましたので、さすがにそれは申し訳ないので、
週明けに受け取る約束をしました。
つまり、それぐらいの早さで仕入れできる
システムが確立されている、ということです。
…すごい………)
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2 コメント

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ねえ、横領…ねえ… (t-cat)
2007-09-23 15:20:52
ハチさん様

コメントをありがとうございます。
募金活動とか、署名とか、
とかくこの手の活動には関わらないようにしている私が、
珍しくビッグイシューの行動には賛同をしてしまっているのが
自分でも不思議なのですが……

多分、経済活動を行い、そこで得られた利益を元手に
自活・自立する基盤を気付く手伝いをする、
一方的な施しではない、個人の努力如何に関わってくる、という、
自己責任を求めている部分に強く共感をしたのだと思います。

1冊110円の利益です、
彼らも日々生活をするわけですから、
どうしても生活費はかかるわけで。

借りる部屋代を工面するのも年単位かかるという話、
挫折する人が出ても不思議はないです、
でも、街角に立ち続ける気力を持ち続けられる人なら、
きっと、自活への道は拓けると思うので……

人生楽しちゃいけないのです、
夢は与えられるものではなく、自分でつかむもの。
やり直しができるか否かは本人次第なのだと思うのです。

雨露しのげる家で過ごせる日々は、
本来とても有り難いものなのですよね…

で、横領組ですよ。
彼らになんのおとがめもなしで
普通に生活できている現実こそ絶望もんです。
人様の金に手をつけて、ばれなきゃいいんですか、
理不尽ですよね、悔しいですよね。

でも、だからって、健保や年金を納入しない理由には
一切なりませんので、
国民の義務は果たしている当方です。
返信する
よいではないですか。 (ハチさん)
2007-09-22 17:55:56
ホームレスの問題は難しいですよね。
いろんな事情でそういう生活になってるわけで、身を隠してる人つもりもいれば
止む終えずそうなって手立てを必要としてる人もいますもんね。

でも、ビッグイシューで社会復帰をチャレンジしてみようという人も中なか現実は厳しくて続かない人も多いと聞きます。
前は梅田や淀屋橋あたりでもよく見かけましたが、最近少ないような気がします。

でも、こうして買って応援してくれる人がいないと成立しないですもんね。

私も募金やらボランティアやらできるときはやりますが、
偽善だろうが何といわれようが、少なくとも、助けになってるのは確かだと思ってやってます。
本当に助けを必要としてる人にすれば同じ支援のお金ですから。
それでもなければもっと大変なことになる人たちがいると思いますもん。

偽物の善ってことは、見返り求めることかな?自己満足も入るんだとしたら
一日一善すると気分がいいっていうのもだめなのかしら?
でも、困ってる人がいるのを知って、できることがあるのに
何もしないような人が使う言い訳のような気もします。
胸張って善いことできるときはしましょう^^

横領される為に払ってるような年金や税金より、
募金とか支援に使った方がずっと納得できるし、
働き甲斐があると言うもんではないでしょうか^^;
返信する

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