「バランス力は、運動神経の訓練と抗重力筋づくりから 2009年全道の集い」
体操の生徒さんが、「雪かきして腰を痛めたので当分お休みします。」と
連絡がありました。
北海道をはじめ東北地方での冬の生活において、雪かきは必然な生活活動です。
そしてまた、道路上での「転倒」がすごく増える時期でもあります。
「この前、玄関先で転んで腰を打った。」とか、「転んでお尻を打って、首が痛い」
などの話は日常的な会話です。
今日は、雪かきを運動の角度からお話します。
1.雪かきはてこ運動(スコップでの除雪)
腰が支点・背、おしりが力点・スコップ、雪の重さ、上体の重さが作用点になり
ます。
言い換えますと「腰を中心にして」雪を投げることになります。
背筋や大殿筋の筋力のない人は、腰(第3から第5腰椎)に大変な負担がかかる
のです。
2.雪かきは無酸素運動
雪をかきをしているときの呼吸は、どのようにしていますか。
一生懸命になって、呼吸どころではないでしょう。
今度ぜひ確かめてください。
無酸素運動は怒責(息こらえ、いきみ)が伴います。
(その反対に、息を吐いたり吸ったりしながらする運動を「有酸素運動」と
呼びます)
そのことにより、血圧が上昇し心臓への負担が増すことになります。
3.雪かきをする前に
●事前に、先ずは首・肩・肘・手首の関節を動かしましょう。
次に股関節・膝・足首の関節を動かしましょう。
そして、お相撲さんがしこを踏む格好(蹲踞姿勢)を数回しましょう。
4.雪かきの姿勢
●できる限り、腰を落として(蹲踞姿勢)雪をなげましょう。
重い雪は特に、からだを捻っての雪投げを避け、投げる方向に足をスッ
テップして腰への負担を軽減しましょう。
5.雪かきのあと
●特に肩関節と股関節をしっかりほぐしましょう。雪かきで筋肉や関節が
硬くなっています。疲労回復が早くなります。
豪雪、寒冷地の北海道では、とてもいい筋力トレーニングと心肺機能を高める
運動になりますが、やり方ひとつで関節痛が起こったり、思わぬ事故にもつながります。
特に高齢者にとって、雪かきは危険を伴う生活活動だと思ってください。