北海道の小さな町・黒松内から発信した田中式健康体操(T・K・T)終生二足歩行を求め 全国で実践指導中        

北海道・大阪府・奈良県の18市町村・68教室の活動風景や本部主催の田中式健康体操の活動・行事などを綴ります

[雪国の雪かきについて]

2010年02月06日 | [ ヒトのからだの不思議 ]

「バランス力は、運動神経の訓練と抗重力筋づくりから 2009年全道の集い」


体操の生徒さんが、「雪かきして腰を痛めたので当分お休みします。」と
連絡がありました。
北海道をはじめ東北地方での冬の生活において、雪かきは必然な生活活動です。


そしてまた、道路上での「転倒」がすごく増える時期でもあります。
「この前、玄関先で転んで腰を打った。」とか、「転んでお尻を打って、首が痛い」
などの話は日常的な会話です。


今日は、雪かきを運動の角度からお話します。
1.雪かきはてこ運動(スコップでの除雪)
  腰が支点・背、おしりが力点・スコップ、雪の重さ、上体の重さが作用点になり
  ます。
  
  言い換えますと「腰を中心にして」雪を投げることになります。
  背筋や大殿筋の筋力のない人は、腰(第3から第5腰椎)に大変な負担がかかる
  のです。

2.雪かきは無酸素運動
  雪をかきをしているときの呼吸は、どのようにしていますか。
  一生懸命になって、呼吸どころではないでしょう。
  今度ぜひ確かめてください。
  

  無酸素運動は怒責(息こらえ、いきみ)が伴います。
  (その反対に、息を吐いたり吸ったりしながらする運動を「有酸素運動」と
   呼びます)
  そのことにより、血圧が上昇し心臓への負担が増すことになります。

3.雪かきをする前に
   ●事前に、先ずは首・肩・肘・手首の関節を動かしましょう。
   次に股関節・膝・足首の関節を動かしましょう。
   そして、お相撲さんがしこを踏む格好(蹲踞姿勢)を数回しましょう。

4.雪かきの姿勢
   ●できる限り、腰を落として(蹲踞姿勢)雪をなげましょう。
    重い雪は特に、からだを捻っての雪投げを避け、投げる方向に足をスッ
    テップして腰への負担を軽減しましょう。

5.雪かきのあと  
   ●特に肩関節と股関節をしっかりほぐしましょう。雪かきで筋肉や関節が
    硬くなっています。疲労回復が早くなります。

豪雪、寒冷地の北海道では、とてもいい筋力トレーニングと心肺機能を高める
運動になりますが、やり方ひとつで関節痛が起こったり、思わぬ事故にもつながります。


特に高齢者にとって、雪かきは危険を伴う生活活動だと思ってください。