2023/6/5

【小野龍光】年商100億超のIT起業家は、なぜ突然「出家」したのか

NewsPicks 記者・編集者
整えられた坊主頭に、色鮮やかな黄色の袈裟。
街中ではなかなか見かけない服装に身を包んだ人物が、丸の内にあるNewsPicksのオフィスに現れた。
小野龍光氏。2022年8月までライブ配信アプリ「17LIVE(イチナナ)」のグローバルCEOを務め、過去にはベンチャーキャピタル「インフィニティ・ベンチャーズ」を創業。
投資業のほか、地元密着型掲示板「ジモティー」や共同購入型クーポンサイト「グルーポン」を立ち上げに関わり、起業家としても年商100億超の事業を世に送り出すなど、華々しい経歴を持つ。
※2021年に配信されたNewsPicksオリジナル番組「デューデリだん!」にも登場した。
そんな小野氏が、突然インドで得度(※出家のこと)したのは2022年10月。17LIVEのCEO退任からわずか2カ月後のことだ。
事業家・投資家・起業家。ビジネスエリートの「ど真ん中」をひた走っていた男に、一体何があったのか。
自称・さまようボウズ、小野龍光氏の「人生の探究」に迫っていく。(全5回)
小野龍光(おの・りゅうこう)1974年生まれ、札幌市出身。2022年10月旅行で訪れたインド・ナグプールにて得度。仏教僧見習いとして修行中。得度前は、小野裕史として、投資家・連続起業家として生活。
 
INDEX
  • 私は、もう一度「生まれた」
  • 「もっと」の資本主義に疲弊
  • ボウズの1日のルーティン
  • さまようボウズの戯れ言

私は、もう一度「生まれた」

出家をして、最も自分が変わったと感じた瞬間はいつですか?
皆さんによく聞かれるのですが、振り返ると「頭を丸めた時」だったと思います。
2022年10月。インドで得度をする当日に髪の毛を剃ってもらった時、とてつもない幸福感を感じました。
まるで、別の人間に生まれ変わったかのような気持ちです。
髪の毛とともに、過去に築いてきたキャリアやお金、名声はすべて手放そう。そう決意しました。